ロシアの「スパイイルカ」との疑いを持たれたシロイルカの「バルジーミル(Hvaldimir)」の死体が見つかったと、監視団体「マリン・マインド」が発表した。5年間にノルウェー北部フィンマルク県のインゴーヤ島周辺で初めて見つかった際、小型カメラを取り付けるハーネスが装着され、英語で「サンクトペテルブルク装備」と記されていたことで話題になった。
ノルウェー放送協会によると、先週末にノルウェー南部で釣りをしていた親子が海上にこのイルカの死体が浮かんでいるのを見つけたという。「バルジーミル」という愛称は、ノルウェー語でクジラを指す言葉とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の名前を合わせてつくられたもの。
バルジーミルは人への関心が非常に高く、手信号にも反応したことから、ノルウェーの国内情報機関は研究プログラムの一環としてロシアで飼育されたとの見方を示し、ロシア海軍の訓練から逃げ出したとの見方も出ていた。
シロイルカの寿命は通常50年ほどとされており、今回死んだシロイルカは推定14、15歳だった。マリン・マインドの専門家は、バルジーミルに大きな外傷はなく、死因は今のところ不明だと話した。