老舗ファンサークルが藤子・F・不二雄「SF短編」を特集 驚きの企画力「好きなことをやれたと思う」

山本 鋼平 山本 鋼平
コミケで頒布された「Neo Utopia 65号」表紙は近藤るるる氏の描き下ろし
コミケで頒布された「Neo Utopia 65号」表紙は近藤るるる氏の描き下ろし

 漫画家の藤子・F・不二雄、藤子不二雄Ⓐの作品を愛し、1986年から活動を続ける藤子不二雄ファンサークル「ネオ・ユートピア」が11日、世界一の同人誌即売会コミックマーケット104(東京ビッグサイト)に参加。新刊「Neo Utopia 65号」を頒布した。同13号以来という「SF短編」をテーマに選択した点について、会場の関係者に話を聞いた。

 久々に取り上げたSF短編というテーマ。関係者は「NHKでドラマ化されたこと、『SFマガジン』(23年4月発売号)で特集されたことで、サークルの中で火が付きました」と経緯を説明した。藤子・F・不二雄による「SF短編」は、定期的に世間で盛り上がるジャンルである一方、大人向けと子ども向け、掲載誌の変化、単行本収録話のばらつき、作家の死後に敢行された「パーフェクト版」の存在など様々な要因から定義が難しいという。

 新刊では初出誌に加筆修正等を網羅した作品総覧、『サンプルAとB』『リトベラのたて琴』で作画を担当した小森麻実氏へのインタビュー、ドラえもん芸人のコラム、メディア化されたSF短編作品の紹介、作中に登場する時事ネタと一致する当時のメディア記事の紹介、背景コマの場所の現在の姿がわかる聖地巡礼ガイドなどの企画が収録されている。300ページの大ボリュームとなり、関係者は「どんどん内容が膨らんで驚きました」と語った。

 それでも、ファンとしての姿勢は忘れなかった。「解釈が分かれることも、よく分からないことも、皆で話し合いながら作れました。好きなことをやれたと思います」と、楽しそうに振り返っていた。同号の入手方法は同サークルの公式X(旧ツイッター)まで。

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