ヘンリー王子が、11日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されたESPY賞授賞式でパット・ティルマン功労賞を受賞した際、母と息子の「永遠」の絆について語った。スポーツ界のアカデミー賞と言われるESPN主催の同授賞式で、負傷した軍人のための国際スポーツ大会インヴィクタス・ゲームでの功績を称えられ、元NFL選手で米陸軍アーミー・レンジャーで、アフガニスタンで戦死したパット・ティルマンさんを偲んで設立された同賞を授与されたヘンリー王子が、自身の受賞決定を批判していたティルマンの母メアリー・ティルマンさんに賛辞の言葉を贈った。
母ダイアナ妃が自動車事故で亡くなった時わずか12歳だった王子は、受賞の際、「マリー・ティルマン・シェントンが率いるパット・ティルマン財団の皆さんに深く感謝することから始めたいと思います」とスピーチをはじめ、メアリーさんへの感謝の言葉を述べた後、「パットの遺志を継ぐという彼女の支援は個人的なものであり、尊敬に値します」「母と息子の絆は永遠であり、どんなに大きな喪失をも超越するのです」と続けた。メアリーさんは、デイリーメールのインタビューで「このような人物をどうして選んだのか」「もっとふさわしい受賞者がいる」などと批判していた。
メーガン妃と共に同式典に出席したヘンリー王子がステージに上がる前、司会のセリーナ・ウィリアムズがインヴィクタス・ゲームに出場した「3人のヒーロー」を紹介、王子はその3人にステージに留まるよう促した後、「実は、私はヘンリー王子やパット・ティルマン功労賞の受賞者としてではなく、インヴィクタス・ゲーム財団と、インヴィクタス・ゲームを実現させた20カ国以上の何千人もの退役軍人や軍人を代表してここに立っています」と語り、同賞を負傷軍人たちに捧げた。
なお、ウィリアムズはスピーチの中でドジャース・大谷翔平選手の元通訳で銀行詐欺罪などの罪を認めた水原一平被告の話題に触れたことが話題となった。「今年最もクレイジーなスポーツ界の出来事」として、水原被告の事件を紹介。「彼は通訳に16ミリオンドル(約25億円)を盗まれたのにもかかわらず気づかなかった。16ミリオンよ!男性アスリートは女性アスリートより多くの給料をもらっているからよ。わたしなら気づく」と笑いながら語り、男女アスリートの収入格差を批判した。