蓮舫氏が“争点化”した神宮外苑再開発 目的は保全の「資金捻出」ビル高層化→床面積増→収益化

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
神宮外苑(画像はイメージです= Hiroyuki/stock.adobe.com)
神宮外苑(画像はイメージです= Hiroyuki/stock.adobe.com)

 総合商社の伊藤忠商事が3日、公式サイトに「神宮外苑再開発について」と題した文書を掲載。東京都知事選挙で元参院議員の蓮舫氏が争点として取り上げている神宮外苑の再開発についてあらためて説明した。神宮外苑再開発事業は、三井不動産を代表施行者とし、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事で行っている。

 冒頭部分では「2023年10月に『ITOCHU SDGs STUDIO』内の子供向け施設を含む4か所に対し、環境問題に取り組む一部の活動家による落書きがなされるという被害を受けました。」と報告。同事件では活動家が「木を切るな」と落書きしていた。また、今年6月21日に大阪で行われた株主総会についても、事前に説明したにもかかわらず「質疑応答に入ると、環境活動家の方が、議長からの論点整理等のお願いにも拘わらず、長々と持論を展開されるという事態も起こりました。」と明かした。

 「再開発=自然破壊」とイメージされがちだが、「誤解」と強調。「神宮外苑の緑は人工林です。」とした上で「これらの管理や維持を日々行っているのは行政等ではなく、明治神宮をはじめとする土地所有者です。」と説明。同社の敷地内には「街路樹や生垣、中庭の植栽などがあるのみです。」と付け加えた。

 いちょう並木に隣接する同社の本社ビルも老朽化が始まっており、建て替えを検討する中で「地域一体開発」の話が持ち上がった。再開発計画に参加したことで高層ビルの建設が可能になったという。現在のビルよりも高い高層ビルを建築することへの批判もあるが、高層化することで床面積を増やして収益をあげ「将来に亘り神宮外苑の『みどりを守り続ける』ためへと循環していく」と説明した。

 いちょう並木については「計画策定当初から伐採が検討されたことは全くなく、将来に亘り保全されます。」と強調。「当プロジェクトは神宮外苑の『みどりを守る』ために、その資金を捻出する周辺施設建替を行うものです。」とあらためて目的を伝えた。

 神宮外苑の再開発については蓮舫氏が「いったん立ち止まるべき」と強調。「都民投票で都民の声を直接聞く」としている。ただ、民間の事業を都がどこまで“差し止め”できるのかは不透明だ。

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