胃カメラは口から?鼻から?「口」は止血、ポリープ切除が可能、画像も鮮明 「鼻」は苦痛少ない 医師が語る

谷光 利昭 谷光 利昭
画像はイメージです(akaomayo/stock.adobe.com)
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 胃の内視鏡検査は口からがいいですか?鼻からがいいですか?―。時々、患者さんから聞かれる質問です。ちなみに当院では、口からのみの内視鏡を行っております。理由は検査の際に、治療ができることです。

 例えば、胃潰瘍があり出血していたとします。口からであれば検査の際に、止血操作が可能です。当院でできる止血操作は限られていますが、それでも患者さんにとっては大きなメリットです。

 その他の例としてポリープ切除です。中核病院や他院では、切除すべきポリープがあった場合などは、再度入院して切除することが多いのですが、検査の際に必要であれば可能な限り切除するようにしています。これは、大腸ポリープに関しても同様です。

 多くの病院では、小さな大腸ポリープでも1泊2日、2泊3日の入院が必要です。しかしながら、当院では大腸ポリープの切除を可能であれば検査当日に施行しています。外来で切除をしますので、大きさ、形、部位によっては見送ることもあります。

 また、画像の鮮明度は、口からの検査の方が勝っていると言えるでしょう。最近は鼻からの内視鏡も画像が鮮明になってきましたが、まだ口からの内視鏡の画像の鮮明度には追い付いていない印象です。画像が鮮明であれば、数ミリの胃がんでも見つかる確率が上昇します。

 口からの検査のデメリットは、鎮静剤を使わないと苦しい検査になってしまうことです。鎮静剤を使用しますので、事故防止のために当日は、自分で運転する乗り物に乗れません。

 鼻からの内視鏡の最大のメリットは、苦痛が少ないことです。口からの内視鏡と比較するとかなり楽だという人は多いようです。しかしながら、私のように咽頭反射が強い人間は鼻からの検査でもかなり苦しく感じられます。咽頭反射が検査中に起こると観察が困難になり、病変の見逃しが多くなることは必至です。上記に当てはまらない人もいますので、自身の咽頭反射の強さ等を考慮しながら検査方法を選ぶことは大切です。

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