〝エロカワ〟な先輩・桃華の誘いで人生最良の瞬間を迎えようとしていた高校生の有川扇。そこへ突如、包丁を持った暴漢が現れ、メッタ刺しにされた扇は、目を覚ますと異世界で勇者として生まれ変わっていた!?人間に蘇るため、嫌々ながらも魔王を倒す旅へ飛び出すことに。果たして、扇はこの世に復活することはできるのだろうか──『ツギハギだらけの最強勇者』(GANMA!)。
不運な高校生が異世界で転生し、立派な勇者として成長しながら魔王を倒す旅に出かけるという、奇想天外なストーリーが話題の『ツギハギだらけの最強勇者』(GANMA!)。エックスでも配信された本作は、1万件以上のいいねを獲得し、ブックマークも4,000件に迫るなど、数多くの読者を魅了した。
そこで今回は、著者であるふえふきさん(@hohindahohinda)に、本作を描くきっかけから魅力について、たっぷりと話を聞いた。
主人公には過酷な世界であがいてもらいたい
一度、命を失った高校生が異世界で勇者として復活するというストーリーは、どのような着想点から生まれたのか。きっかけは、担当編集者からの一言だったと話す。
「〝勇者は魔王を倒すまで死なせてもらえないんだよなあ〟と思って、まずは、国が滅んでもゾンビになって徘徊する勇者パーティーを想像したのがきっかけです。実はこの作品、最初は死体系ギャグファンタジーになる予定でした。しかし先代の(編集)担当さんから『この設定で異世界転生ものを描いてみませんか?』と提案があったんです。『転生する主人公が与えられる情報量は読者さんと同じ。世界観の伝え方やストーリーを練るヒントになるかもしれません』と言われ、その案になるほどと思い転生要素を絡めてストーリーを練り直したのが今のツギハギ勇者です」
その発想から生まれた本作は、異世界を舞台としながらも〝人間の弱さ〟が緻密に描かれ、多くの読者の共感を呼んでいる。一方、作者自身としてこの作品の魅力をあげてもらった。
「『1度死んだつもりでやってみろ』という言葉があるように、1度死の境を彷徨ったり過酷な経験をして乗り越えた人間は、それだけで精神的に強くなっていると思います。私も幼い頃に車に轢かれたことがありますが、死を感じる経験はその後の人生で『後悔がないようにこれもやってみよう』と精神に強さを与えてくれたように思います。
主人公である扇は死を経験した人間です。だから扇にはもっと過酷な世界で足掻いてもらいます。過酷な世界の中で折れずに輝く扇の精神がこの作品の魅力の1つだと思っております」
そして最後に、今後の目標について語ってもらった。
「紙の単行本を出したいです!『ツギハギだらけの最強勇者』は、現在電子書籍のみの販売となりますので、紙の本になったら嬉しいですね。今作は完結まで主人公の扇を含めた登場人物の全員が『自分は最善を尽くした』と言えるように全力で走れる舞台を作ってあげたいです」
これからも本作のようなインパクトの強い作品を生み出してくれることだろう。期待したい。
<ふえふきさんInformation>
■エックス /
https://x.com/hohindahohinda
■全編はGANMA! /
https://share.ganma.jp/magazines/tsugihagi