野生のパンダが増えていることがわかった。中国南西部・四川省雅安のジャイアントパンダ保護区の研究者らによると、飼育下で繁殖したジャイアントパンダを野生に戻す取り組みが成果を上げ、個体数に影響を与えているという。
中国は2003年以来、飼育していた12頭のジャイアントパンダを野生に返すことに成功。12頭のうち10頭が野生で生き続けた。
森林保全の専門家ヤン・シーさんは、赤外線カメラでジャイアントパンダとその子供の画像の撮影に初めて成功した。関係者のだれもがこの“快挙”に興奮したという。
「記録によるとこの地域には以前、野生のパンダが28頭しかいなかった。現在、パンダが赤ちゃんを産んでいることから、保護活動が効果的であることが証明され、その数は徐々に増加している」
中国は2023年7月現在、67カ所にパンダ自然保護区を設立している。中国国家林業草原局は、これらの保護区が野生のジャイアントパンダの個体群の60%以上を効果的に保護していると説明する。今後は、厳選された飼育下のジャイアントパンダを野生のパンダと交配させるために放すことで遺伝的な多様性を高めることを目指している。