ジャッキー・チェンの歌声を廊下で聴いた!“ファン”の思いに即、神対応 13年ぶり公式来日

伊藤 さとり 伊藤 さとり
舞台挨拶に登壇したジャッキー・チェン=6月11日撮影
舞台挨拶に登壇したジャッキー・チェン=6月11日撮影

 2024年6月13日(木)、ジャッキー・チェン本人の歌声が、グランドシネマサンシャイン池袋のシアターに響き渡った。

 新作「ライド・オン」の主題歌「青春故事」を「良い歌ですよね」と解説しながら歌うジャッキー・チェンの来日は公式では13年ぶり。映画「1911」(2011年)のプロモーションを最後に、コロナ禍にもなり日本のファンの前に姿を現すことはなかった。来日を後押ししたのは本作の監督ラリー・ヤン。先月(5/27)に開催された「ライド・オン」日本最速上映会の際に来日し、多くのファンの前に立ったラリー・ヤン監督が、その興奮をジャッキーに電話で伝えたことから、ジャッキーが来日を決断したのだ。

 映画「ライド・オン」はジャッキーのファンであり、香港のアクション映画のファンであったラリー・ヤン監督がジャッキーに何度もラブコールをして完成させたファンムービーであり、娯楽映画だ。その理由に主人公はスタントマンであり、スタントマン出身のジャッキーを投影させ、ジャッキー出演映画のアクションシーンの数々をビデオとして見せるシーンがあったり、梯子や瓶など懐かしのジャッキーアクションをジャッキー本人が披露する場面をあってジャッキーファンなら感涙ものなのだ。それだけでなく、ジャッキー映画未体験者も楽しめる馬とスタントマンとの師弟関係や、肉体を張ったアクションシーンが満載なエンタテインメント作品にもなっている。

「『シャンハイ・ヌーン』(2000年)の時にアメリカで馬について勉強をしたんだ。お陰で今回の撮影に役立ったよ。調教師の人と僕しか馬には触れないようにして、馬との信頼関係を築いたんだ」

 そうジャッキーは舞台挨拶で楽しげに語っていたが、撮影中は馬に蹴られたり、肩を噛まれもしたそうだ。ファンサービスも素晴らしいと知られるジャッキーの舞台挨拶や記者会見の司会を今回も含めて5回ほど担当しているが、最初にジャッキーを目撃したのは「ラッシュアワー」(1999年)来日記者会見の取材だった。クリス・タッカーと軽快なトークを繰り広げるジャッキーは記者会見の最後に、私たち取材陣に当時、ほぼ全国展開を予定していた「ジャッキーズ・キッチン」のシューマイを一箱ずつお土産としてプレゼントしてくれた。

 今回は私のプライベートの予定で司会を担当出来たのは、3日間の舞台挨拶のうち最終日のみ。前2日間は送り出しの曲「青春故事」に乗せて生歌を披露しているとSNSや記事で知っていたので、舞台挨拶会場であるシアターに向かう途中、通訳のサミュエル周さんに「ジャッキーさんに『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)の『英雄故事』とか『プロジェクトA』(1983年)の『東方的威風』とか歌われたら大合唱ですね」と呟いたら、そのままジャッキーに訳して伝えられ、突如、「東方的威風」を廊下で歌い出したジャッキー。嬉しくて一緒に歌い出した私に笑って歌い続けてくれたビッグスターは、舞台挨拶を終えると「また来年ね」と送り出す私達にハグをしながら劇場を後にしたのだった。

 次回の来日は日本では来年公開予定の「ベスト・キッド2」だろうか。これは2010年に公開された中国が舞台のリメイク版の続編だが、今作では1984年に大ヒットした「ベスト・キッド」のラルフ・マッチオと共演すると言われている。まだ来日の予定はないが次の来日でラルフ・マッチオと並んで登壇されたら、私を含め日本のファン号泣するだろう。

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