犬は、家畜化した結果、コミュニケーション能力のいくつかを失ったという研究結果が出た。オオカミの祖先と同様に、かつては多様な表現を持っていたが、そのコミュニケーション能力は時を経て低下していったという。
英ダーラム大学の研究チームは「犬の表情解析ツール」を使い、野生のオオカミと家畜の犬、それぞれの音の出るおもちゃなどを通した刺激へ自発的な相互作用と反応を示す動画を分析した。オオカミの表情は71%の精度で、9つの異なる感情状態を特定できたのに対し、犬のそれは65%の精度に落ちる結果となった。
同大学でバイオサイエンスを研究するエラナ・ホブカーク氏は話した。「今回の研究は行動における詳細な点の観察の重要性を示しています」「このような観察で、私たちはオオカミがどれだけ複雑で意識的なコミュニケーションを行っているかがわかり、家畜化が私たちとその伴侶である犬の社会的絆にどう影響を与えうるのかを知るきっかけとなるのです」