衆院東京15区補選〝秒殺〟当選の酒井菜摘氏「まっとうな政治を実現したい」国会議員唯一の助産師資格生かす

杉田 康人 杉田 康人
長妻昭氏(左から2人目)、宇都宮健児氏(同3人目)らのバンザイの中、頭を下げる酒井菜摘氏
長妻昭氏(左から2人目)、宇都宮健児氏(同3人目)らのバンザイの中、頭を下げる酒井菜摘氏

 柿沢未途氏の辞職に伴う衆院東京15区補選が28日、投開票され、立憲民主党から立候補した元江東区議・酒井菜摘氏(37)=共産党、社民党支援=の当選した。

 9人による歴史的大混戦を制した酒井氏は「私たちは、利権やお金で動く政治ではなくて、国民の声を受け止めて動くまっとうな政治を創っていくことを掲げました。その訴えに、一定の理解をいただいたものと受け止めております。この12日間、本当に忘れません。そして、まっとうな政治を実現してまいります」と振り返った。

 子宮頸がんや不妊治療を乗り越え、母になった経験から医療や福祉、子育て施策の充実も訴えた酒井氏。記者団から、どの政策が有権者に響いたかを問われ「野党第一党として、まっとうな政治を実現したいということが最も支持されたのではないかと考えます」と〝まっとうな政治〟という言葉をことさらに強調した。

 看護師、助産師の資格を持つ酒井氏は「経験は、今後の国政でもしっかりと役立てていけると考えている。衆参で約700名国会議員がおりますが、助産師の資格を持つ方は現職では1人もおりません。専門性をしっかりと生かして、働いてまいりたい」と語気を強めた。

 衆院東京15区補選は、各陣営が政治団体・つばさの党の根本良輔氏(29)による選挙妨害を訴えた。酒井氏は「演説の日時を公表できなかった。演説を始めたとしても妨害に遭ったりしたことがありまして、危険を感じるような場面もありましたし、非常に怖かった。区民の皆さんに訴えをできなかったというところが申し訳なくも思っている」と振り返った。

 2023年4月23日投開票の江東区議選で再選。2期目途中で辞職し、12月10日投開票の江東区長選に立候補したが落選した。1年間で3度選挙に出馬。衆院議員になった酒井氏は「政治資金規正法の改正などが重要なテーマであるその他にも子育て、障がい者支援、女性支援、社会保障制度改革」と自負した。

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