O・J・シンプソン氏が1994年に警察に追跡された際に乗っていた車が売りに出されている。先週前立腺がんの闘病生活の末76歳で死去した元NFL選手のシンプソンだが、その数日後に悪名高き白のフォード・ブロンコの現在のオーナーが、同車の買い手を探していることを明らかにしたかたちだ。
1994年6月のカーチェイスは、テレビ中継され約9500万人のアメリカ人が視聴、米史上最も認識される車となっている。
ESPNの元レポーター、ダレン・ロヴェルのCllt.comに、同車の共同オーナーで、シンプソンの元エージェントのマイケル・ギルバートは、こう話している。「O・Jが亡くなる前、私たちは以前から今年が売る年だと考えてきました。30周年ですからね」「35周年や40周年に私たちが生きているかどうかはわからないですから」
ギルバートは、同カーチェイスで車を運転していたシンプソンの友人で元チームメイトのアル・カウリングスの友人2人と同車を共同所有しており、現在は75万ドル(約1億1500万円)のオファーを受けているものの、最低「150万ドル(約3億3000万円)」で売りたいと考えているという。
シンプソンは、1994年に元妻ニコール・ブラウンとその友人ロン・ゴールドマンがロサンゼルスのニコールの自宅で遺体で発見されたことから殺人容疑で逮捕されたが、弁護費用が一日5万ドル(約770万円)と言われた敏腕弁護団が警察がDNAの証拠の扱いを誤ったと主張、最終的に無罪となっていた。シンプソンは服役を免れたものの、その後の民事裁判で、2人の死の責任を問われ、遺族に3350万ドル(約51億8000万円)の損害賠償を命じられていた。
一方で同車は最近では、テネシー州のアルカトラズ・イースト・クライム・ミュージアムに貸し出され、2016年から展示されている