小さなトレーニングプレートが床に落ちているのを見つけ、まるでヒヨコや子犬をそっと抱えように持ち上げる心優しい男……。または、トレーニングマシンに引っかかった風船を取ろうとして、肩の筋肉の角で割ってしまう男など、“トレーニング系ギャグ漫画”を連発する孤高の漫画家、寺岸ひろしとは!?
以前、よろず〜ニュースでも取り上げ、大きな話題となった漫画家の寺岸ひろしさん(@tera_bayashi)。今や、エックスのフォロワーは1万人を越え、インプレッションが1万回を記録することも多い人気ぶり。また、現在はKADOKAWAが運営するWebメディア「ダ・ヴィンチWeb」で、『空想上の筋肉』というタイトルから面白さがプンプンする連載も好評を博しているという。
そんな、パワーアップを続ける寺岸さんに、改めて創作における思いや今後の展望について大いに語ってもらった。
「僕に必要だったのは、編集者の力でした」
23年6月に掲載から、約一年が経過した今、寺岸さんの創作はどのように変化をしてきたのか。まずは、創作における思いについて話を聞いてみた。
「漫画の中で陰部を出さないようには気をつけています。今までも作品内で陰部を出したことはないのですが出かけたことが結構あるので、陰部を出さないように気をつけています。 あとは、ダ・ヴィンチWeb編集長からのアドバイスのおかげで自分一人では辿り着けなかったオチに出会えることもあり、僕に必要だったのは筋肉の力ではなく、画力でもなく、編集者の力だったのだと感じております」
このように徹底して「笑い」を守り抜く寺岸さんだが、「ダ・ヴィンチWeb」の連載が決定した際は、格別な喜びだったと話す。
「連載開始記念に妻が『ドンキー満喫セット』(びっくりドンキーの定番&人気メニューを一度に楽しめるセット)をご馳走してくれることになって行ったのですが、提供がすでに終わっていて、レギュラーバーグディッシュ150gを食べました。ちょっと自分には少なくて帰りにセイコーマートでのり弁を買って家に帰りました。そんな感じです」
どこまでが本音でネタなのかわからない回答だが、最後に、根の真面目さを感じられる今後の目標を語ってくれた。
「40年間、何者にもなれなかった自分が辿り着けた最終地点が、Web漫画家だったという事実だけでもう満足です。たとえすぐに連載が終わったとしても、生前の思い出が作れてよかったです!万が一、いつの日か書籍化されるようなことがあったら、行きつけのサウナと床屋にサイン入りの書籍を置いてもらうのが目標というよりは夢です!」
どこまでも笑いと筋トレを武器に作品を生み出し続ける、寺岸さん。最後に語ってくれた通り、書籍化が実現した際には、どれほど笑いを詰め込んだ作品になるのか。楽しみで仕方がない。
<寺岸ひろしさんInformation>
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■ダ・ヴィンチWeb連載中「空想上の筋肉」/
https://ddnavi.com/serial/kinniku/