2022年6月に施行された「AV出演被害防止・救済法」(AV新法)が施行2年で見直されるのを前に、セクシー女優ら約100人が8日、国会を訪れ、法改正を求める請願書を提出した。
業界団体などでつくる「AV産業の適正化を考える会」が主催。発起人の二村ヒトシ監督(59)が、NHKから国民を守る党の浜田聡参院議員(46)に請願書を手渡した。国際女性デーのこの日、女優らは東京・日比谷公園から国会まで「請願デモ」を決行。議事堂に向かって「AV新法を改正しろ!」とシュプレヒコールを上げた。
「ー考える会」は、同法で規定された撮影禁止期間(1カ月)や公表禁止期間(4カ月)の〝1カ月・4カ月ルール〟などの規制が多様な働き方を妨げ、憲法22条の「職業選択の自由」に基づく「営業の自由」に反すると指摘。制作本数の減少や新人・中堅女優の仕事の減少、アングラ現場等への出演者流出が起こっているとし、同法の条文などから「被害」という文字を削除することや、出演者の希望によって1カ月・4カ月ルールを縮められる改正案を提示している。
一方、同法の関係議員は「性行為映像制作物の公表期間について○年以内としなければならない旨の規定を設ける」「性交を実際に行う、いわゆる本番行為の撮影を内容とする契約のあり方について検討を行う」などとしている。
請願書を受け取った浜田氏は「このように行動を起こす人がこれだけ多いのだと改めて実感できた。この思いを国会に伝えていきたい」と、セクシー女優らの大行進に驚いていた。
浜田氏は、AV撮影においての本番行為禁止が、法で定められることを強く危惧する。「AV新法をつくられた方が中心になって編集された逐条(ちくじょう)解説っていう本があって、そこには今後の検討案として、本番行為の禁止と公表期間の制限というものがある。両方が実現するようなら、ちょっとまずい。放っておくとまずい改正がなされる。わけのわからない規制がかかるような改正案が出てくるようなことは防ぎたい。規制が厳しすぎると、よけいな被害が出てくる」と、他党や国会議員に働きかけていくとした。
「ー考える会」は、国会にセクシー女優やスタッフらの声を届けるべく、2月9日から全国で署名活動を行っている。二村氏は「ようやく国会までたどり着けた。俺たちも納税者で、労働者なんだっていう実感があった。セックスワークとして差別されるんじゃないか…気持ちとしてね。だけど権利はあるんだ。ここを歩く権利はあるんだということは、きょうすごい感動しました、やってて」と振り返った。