元衆議院議員の宮崎謙介氏(43)が6日、よろず~ニュースに、自民党の派閥が消えた後の政界についてコメント。宮崎氏は「大きく二つの変化が出てくる」とした。
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政治と金の問題が議論されている中で、いつの間にか派閥が悪いという議論になってきていること自体に違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。
そもそも、政治資金規正法という法律を守らなかった人たちがいて、その人たちのモラルや規範意識を如何に正していくのかがポイント。道路交通法違反を犯したら点が引かれ、免停や免許取消になりますよね。重たいペナルティを与えることで政治資金も適切に運用されていくと思うので、その議論に終始すべきところが派生してしまっています。
とにかく、日本の政治を中心でずっと担ってきた自民党から「派閥」というものがなくなります(麻生派を除く)。そうなると、これからの時代の自民党政治はどうなっていくのでしょうか。その辺りを考えてみましょう。大きく二つの変化が出てくるでしょう。
まず一つ目は「権力の集中」です。これまでは複数の派閥が「おい、岸田、俺のところのこの議員を次の大臣にしろ。じゃないと応援しないぞ!」と言って総裁に対して物を申す立場にありました。総裁(≒総理)になるためには派閥の親分の力を借りる必要がありました。
でもその人がいなくなったとしたら、総裁(≒総理)は「しめしめ、うるせえジジイがいなくなった。俺の好き勝手にやらせてもらうぜ」となります。つまり、総裁に権力が集中するのです。もれなく、そのサポートをする絶大な権力をもっている幹事長にも。
そして二つ目は「適材適所」です。派閥はこれまで自分のところの子分で当選回数が多い人で大臣になっていない人を推薦してきました。中には大臣になれないから派閥に入るという人もいました。そんな中から大臣を選ばなければならなかったので「USBを知らないIT担当大臣」が誕生したりするのです。派閥から人事権を取り上げるということにより、政策に明るい人がその分野の大臣になれるということになるでしょう。
思わぬ方向で派閥解消の論議になっていきましたが、これも政治の進化だと私は考えます。なかなか不満や不信感はぬぐえませんが、これによって日本の政治が脱皮してくれることを願うばかりです。