【漫画】鉄道会社の離職率は意外と高い!? 「100日後に辞める駅員さん」元駅員が描くリアル 作者が語る

橋本 未来 橋本 未来

 電車の運転士に憧れ、「どうぶつ鉄道」に入社した主人公のペンギン「ペン助」。猿のサルキチや、羊のヒツジロウなど、動物を擬人化したかわいいキャラクターたちとの日常を描きながら、意外と知られていない「駅員のリアル」をコミカルに描いた作品『100日後に辞める駅員さん』。何かと働き方が話題となる今、新たな形の「ビジネス漫画」として注目を集めている。

 作者のザバックさん(@theback_blog)が2021年にエックス(旧Twitter)で最初に発表したのが『100日後に辞める駅員さん』だった。駅員の日常という珍しいテーマもあって大きな反響を呼び、動画やネットでも取り上げられた。

 駅員ってどんな仕事をしているのだろう?この作品では、淡々とした描写でペン助らの日常の仕事風景が描かれており、その仕事の内側が垣間見られる。同時に、運転士になるという夢を追いかけながらも職場での人間関係に悩んだり、恋愛で傷ついたりといった青春物語も織り込まれているのが、単なる“ナルホド漫画”で終わらせない面白さの理由だろう。読んでいて「これはノンフィクション?」という疑問も湧いてきた。そこで、作者のザバックさんに、その創作の背景を聞いてみた。

“絶対の安泰のホワイト企業”なのに……

 「これまでに鉄道会社を数社経験しているので、それが創作のネタになると思い、制作に取りかかりました。友人から『駅員ってどんな仕事なの?駅の改札にいるだけなの?』と聞かれることが多く、駅員の仕事の実情を知らない人が多いことに気づいたのがきっかけです」

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 ということは、ペン助=ザバックさんなのだろうか。

 「ペン助は僕の分身……と言いたいところですが、辞めていった同期や後輩たちの思いも伝えたくて、その上でマンガを盛り上げてもらうためのお調子者を描こう、と生み出したキャラクターです。仕事の傍ら毎日更新することを目指したので、描くのに手間がかからないシンプルかつ線が少ないキャラにしました」

 ペン助は誰か一人をモデルにしたのではなく、ザバックさん自身やかつての同僚たちの思いを代表しているということだろう。

 タイトルに「100日後に辞める」とあるが、駅員の仕事に対して疑問を持って製作されたのだろうか。

 「僕が鉄道会社に入社する前は『鉄道会社って倒産することがないし、絶対に安泰のホワイト企業だろ!』と思っていましたが、意外にも離職率が高いんです。自分のまわりで実際にあったことを参考にマンガにしましたが、読者の方々からも共感を得ることができ、うれしかったですね」

 そして最後に、これから描いてみたいテーマについてザバックさんに聞いてみた。「次は、駅員ネタから少し離れて、恋愛マンガと異世界マンガ、アクションマンガが描いてみたいです。頭の中にはあるのですが、現業が忙しく手が出せない状態で……いつか発表はしたいと考えています」どんな作品になるか、楽しみに待っていたい。

 <ザバックさんInformation>
 ▶ザバックさんX(旧Twitter)
https://twitter.com/theback_blog
 
▶『100日後に辞める駅員さん(1日目)』
https://thebackmanga.com/100day_ekiiin1
 
▶『100日後にやめる契約駅員さん(1日目)』
https://thebackmanga.com/archives/14885517.html

 

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