歌手ポール・マッカートニー(81)が、映画『007/死ぬのは奴らだ』のパフォーマンスの仕掛けによって、参加していたお年寄りが死んでしまわないか不安で仕方なかった過去を明かした。かつて、1973年のロジャー・ムーア主演の同名映画の主題歌をライブ披露した際、炎や花火を使って演出をしたというポールは、その時最前列にいた90歳の女性がショック死するのではないかと懸念していたそうだ。
自身のポッドキャスト番組『ア・ライフ・イン・リリックス』の中でポールは打ち明けた。「僕らにとって大作だからね。花火を使うからその場が少し熱くなる。爆発が起きるとわかると僕らは最前列の人たちを見た。そして、ドーンってなる。みんなが互いに目を見合わせて驚くのを見るのは最高だよ」
「昔その演出でライブをやっていて爆発が始まった時、僕は最前列に90歳位の老婦人がいたことに気づいたんだ。『ヤバい、彼女を殺してしまう』ってなった。でもその曲を止めて、『耳を塞いで』とも言えない。僕は目を反らし、そしてドーンっと爆発。けれど、その後見返すと、彼女は本当に楽しんでいたんだ」
また「007」シリーズ8作目、ロジャーのジェームズ・ボンド役デビュー作の主題歌で、現在も人気を維持し続ける同曲に関してポールはこう語ってもいた。
「ボンドの曲を作ることは常に隠された野心といったところだった。作曲を仕事とする者として、そういった自分を知るのは楽しい。『女王の結婚式のために曲が必要なら、僕に任せて』って」「それと同じぐらいなのがボンドの曲。ボンドの曲を手掛けることはちょっとした栄誉さ」
「この時、ザ・ビートルズのアップル・レコードを取り仕切っていた人が、ボンドフランチャイズの関係者と知り合いだったんだ。ある日一緒に話をしていた時に、『君はボンド映画をやることに興味はないよね?』って聞かれたから僕は、『いや、たぶん興味はあるかな』って答えた。『うん、もちろんやるよ』って、食いつきがいいようには見せたくなかったからね」