山本リンダが仮面ライダーOGとして「どうにもとまらない」怪獣プロレス降臨、原点は「ラドンとゴジラ」

北村 泰介 北村 泰介
怪獣プロレスのリングに登場した山本リンダ(左)とデビュー30周年の雷神矢口=東京ドームシティ プリズムホール
怪獣プロレスのリングに登場した山本リンダ(左)とデビュー30周年の雷神矢口=東京ドームシティ プリズムホール

 エンターテインメント系プロレス団体「怪獣プロレス」第2弾興行(4日・東京ドームシティ プリズムホール)のリングに、歌手の山本リンダがサプライズで〝降臨〟した。昭和の特撮テレビドラマの俳優が参戦している同団体において、山本も「仮面ライダー」(毎日放送・東映制作、1971-73年放送)に出演していた〝ライダーガールズ〟の一員だったという接点があった。

 山本は、仮面ライダーの周囲にいる〝サポーター〟的な存在である女性たち(通称ライダーガールズ)の1人で「マリ」という役を演じた。初登場は仮面ライダー2号の一文字隼人と同じ第14話「魔人サボテグロンの襲来」(71年7月放送)。当時20歳だった山本は「フェンシングが得意」という設定で、時には戦闘シーンでショッカーに立ち向かう度胸や長身を生かした身体能力も発揮し、男性ファンを魅了した。

 また、カメラマンという設定の一文字に「ねえ、私をカメラのモデルに使ってくれない?」と、おねだりする場面も語り草になっている。くしくも、一文字役の佐々木剛も「地獄博士」というキャラクターで怪獣プロレスに映像で参戦している。

 この日の会場では72年の大ヒット曲「どうにもとまらない」に乗り、歓声を浴びながら花道を軽快に歩いてリングイン。山本は「すごく楽しみにしていました。実は、私も怪獣ファンでございました」と切り出し、「最初に母と一緒に怪獣の映画を見に行ったのが、横浜に住んでいる頃で、確か〝ラドンとゴジラ〟とかっていう映画があって、見てびっくりしちゃってね。うわーっ!て。もう、すごいし、怖いし、ドキドキするけれども、なにか怪獣っていうと哀愁があってね、あ~、なんかいいわー!と思ったのが、生まれて初めて怪獣と出会った時でございました」と原点を語った。

 さらに、仮面ライダー出演の背景について、山本は「(レコード会社の移籍で)半年間、歌のお仕事をしちゃいけないという、そういう決まりがありまして、ちょうど、その時に東映さんの方から『仮面ライダーに出演してください』ということで、2代目ライダーガールになりまして。フェンシングの選手(という役)でね、いろんな怪獣も出てくるし、ショッカーも出てくるし、その時に自分も一緒にその仲間に入って頑張っているという、ワクワクドキドキを経験致しました」と振り返った。

 怪獣プロレス来場については「レフェリーのミスター高橋さんが横浜で近くにおいでになったみたいで、そんなご縁からですね、声を懸けていただいて参りました」と、元新日本プロレス審判部長で現在は怪獣プロレスの審判部長を務める高橋氏との縁を説明した。

 山本は「ここに来る前、私はレコーデイングをしておりました。来年1月10日前後ぐらいから始まるドラマがありまして、そのオープニングテーマを歌うことになりまして、そのレコーディングです。ドラマにも出演しますので、ぜひ見ていただけたらと思います。私も歌のお仕事を、もうウン十年、頑張ってきてるんですけど、これからもね、できるだけ元気で健康で、そして歌っていけるように頑張ってまいります。怪獣さんと一緒に応援してください」と、デビュー曲「こまっちゃうナ」(66年)以来、57年の歌手生活を踏まえて今後の活動に意欲を示した。

 また、団体の代表取締役プロレスラー・雷神矢口こと矢口壹琅のデビュー30周年記念大会でもあり、これまで共闘してきた大仁田厚が花束を持ってリングに登場した。

 大仁田は「25~6年、男同士、ほんとにうさんくさい仲ですけど、矢口選手をよろしくお願いします」とエール。矢口は「今、世界で悲しい紛争が起きています。(2001年)『9・11』の2か月後に大仁田さんとアフガニスタンに行ったんですよ。結局、戦争で悲しむのは、子どもであり、女性であり、年配の方なんですよ。怪獣で愛と平和の物語を全世界に伝えていけたら」と訴えた。

 怪獣やUMA(未確認動物)を題材としたレスラーと特撮ドラマのレジェンド俳優らによって展開されるプロレス団体。第3弾興行は来年4月7日に東京・浅草の「花劇場」で開催されることが決まった。

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