ロート製薬が10日、大阪市内で開催したドローンショー「目の愛護ショー」が異彩を放ち、話題を呼んでいる。夜空に浮かぶハト、ハト、ハト。往年の名CMを再現するつもりが機材の都合上、シュールな光景になってしまった。
同社は2020年から毎年「目の愛護デー」(10月10日)に合わせて、新聞広告や電車広告など、目の健康や愛護につながるさまざまな取り組みを実施。初の試みとなったドローンショーには「遠くを見ることは目を休めることになり、遠くのドローンを見て目を休めてほしい」という思いを込めた。
ドローン約300機が大阪の夜空に描いたのは、全長約100メートルの巨大な目や「残業おつかれさまです」などの優しいメッセージ。なかでも目を引いたのが、同社のCMではおなじみのシーンの再現だ。
♪ロート、ロート、ロート~と合唱が流れ、同社の建物をバックに無数のハトが羽ばたいていく。「アップダウンクイズ」や「クイズダービー」「SMAP×SMAP」など、一定層なら誰もが頭に浮かぶ名CMを再現。ところが、建物を描くまでは良かったが、夜空に浮かび上がったのはハトのイラストではなく、カタカナで「ハト」。極め付きは、その「ハト」がぱたぱたと羽ばたくように動いているのだ。
このシュールな光景がネットで「ハトwww」「ハトの表現が秀逸過ぎる」「なんだろう、この往年の2ちゃんねる感w」「動画見たら思った以上にハトの文字が羽ばたいてたの笑う」と話題に。CMの完全再現とはならなかったが、それが功を奏す格好となった。
同担当者に「ハト」の経緯を聞くと、「イラストをドローンで描くことも検討していましたが、ドローンの台数の関係があったことに加えて、より面白いアイデアとして、カタカナで表現しました」とシュールな光景にはやや“確信犯”の要素もあることを明かした。
13日夜にも大阪市内で同内容のドローンショーを開催予定だったが、急遽中止に。同担当者は「(10日のドローンショーに)想像以上の反響をいただきまして、安全面を考慮した結果」と説明した。