総務省と中央選挙管理会は5日、党名を政治家女子48党からNHKから国民を守る党にし、党代表者を大津綾香氏(30)から自身にするとした斉藤健一郎参院議員(42)の変更届を認めない決定を出した。総務省は不受理の理由について「権限のある代表者によって提出されたのか疑義が解消されないため」としている。
政女党の代表権をめぐって、立花孝志氏(56)側の斉藤氏と大津氏が激しく対立。斉藤氏は5月10日、8月9日の党総会をもとに、それぞれ党代表者、党名の変更届を総務省に提出していた。立花氏は、ガーシー被告(51、本名・東谷義和)を10月22日投開票の衆院長崎4区補選か参院徳島・高知選挙区補選に立候補させる意向を示していたが、今回の不受理で「NHKから国民を守る党」公認での選挙自体が極めて難しくなった。
大津氏は、同党の政治資金団体「ホリエモン新党」を指定団体から外し、党の会計責任者を立花氏から自身にするよう総務省に届け出ている。「まずは、大津さんの届け出が認められるかがどうかが焦点になる。代表者を決めるのは裁判所。総務省は審査できないから、斉藤君が代表とも大津さんが代表とも言っていない。ただ、斉藤君の届け出に疑義がある以上、大津さんの主張を認めて進む可能性がある」と指摘した。
大津氏側からの「党の会計帳簿を渡せ」という千葉地裁への仮処分申請について、立花氏は「これが認められると大ピンチ。大津氏は党の解党をしてくる可能性がある。そうなると、大津さんにお金の管理をさせないという、党の債権者からの民事再生を申し立てることになる」と、党の民事再生手続きの可能性にまで言及した。
ますます混迷を深める政女党の代表権争い。立花氏は「NHKの味方をする総務省の嫌がらせ。もし国政政党の権利を剥奪されても、政治団体として活動していくしかない。有権者はどう見ているのか。選挙に不正はないので、2年後の7月の参院選までこつこつやっていく」と覚悟を決めた。