女子プロレスのSEAdLINNNG後楽園ホール大会が25日に行われ、メーンのSEAdLINNNG BEYOND THE SEA Single Championship選手権は、挑戦者で元WWEのSareeeが、王者・中島安里紗を27分32秒、変形裏投げからの体固めで3カウントを奪って撃破し、第10代王者に就いた。
今年5月の日本復帰戦から3カ月。Sareeeが腰に白いベルトを巻いた。「今日からSareeeが女子プロ界の強さの象徴だ。このベルトをもっと輝かせてみせる」。かつて所属した団体の8周年興行を死闘で締めくくり「もっと女子プロレス界を盛り上げます。私が思うプロレス道を進んでいくので、目を離さないでください」とファンに呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
殺気に満ちたタイトル戦だった。中島から容赦ないエルボー、張り手を食らった。コーナーポストから場外へのフットスタンプではもん絶。馬乗りの形からエルボー約30連発を頭部に浴びた。その度に闘志を前面に出して反撃。最後は脇固めで中島の動きを鈍らせ、裏投げを5連発。さらに頭突きから必殺の変形裏投げで決着をつけた。
中島からは「これだけボコボコに殴り合える相手がいて、負かしてくれるのは幸せなことだと思う」と認められた。両者は抱き合って、互いの健闘をたたえた。
尊敬する故・アントニオ猪木さんの闘魂を胸に、強さをリングに反映させるべく米WWEから日本に復帰。バックステージでは「本当に苦しかったけど、諦めたくない気持ちは私の方が強かった。このベルトを巻いて自信と責任を持って、理想とするプロレス道を駆け抜けたい」と改めて決意を口にした。今後については「戦ってみたい選手はたくさんいる。スターダムの選手とかメチャクチャ戦いたい。逃げも隠れもしない。全てはタイミング」と、全方位に挑戦を呼びかけた。
所属はフリー。全日本の9・8代々木大会ではウナギ・サヤカと組み、安納サオリ&KAIRIとタッグ戦に臨むなど、団体の垣根を越えて戦い続ける。新王者は「このベルトと一緒に素晴らしい景色を見たい」と誓いを新たにした。