サプリメント事業を主に扱うわかさ生活が、12日に東京ビッグサイトで開幕したコミックマーケット102の企業ブースに初出展。女子野球を題材にしたマンガ「花鈴のマウンド」(原作・角谷建耀知、作画・星桜高校マンガ研究会)をアピールした。
わかさ生活は2009年に日本女子プロ野球機構を立ち上げ、翌年から2020年までリーグ戦を開催。同機構は女子野球の発展に寄与してきたが、資金の負担増、コロナ禍などが原因で21年、活動休止に至った。「花鈴のマウンド」はわかさ生活の角谷建耀知社長が原作を担当し、2016年から日本女子野球機構の公式サイトなどでウェブ連載されてきた。かつては主に関西地方でテレビCMが放映されるなど、後押しを受けてきた。
同機構の消滅後は、描き下ろしの単行本が発表される度、同作品の公式サイトで紹介することに加え、YouTube番組の配信、イベントへの協力など、女子野球との縁を継続してきた。この日は野球ユーチューバー向、向が主宰する草野球チームの女子選手2人、星桜高校マンガ研究会でネーム・構成担当のやっすん氏、作画担当のヤマブキチアキさんも登場。単行本を配布、記念撮影などで来場者と交流した。
同作は「女の子だって甲子園!!」がキャッチコピー。そして2021年から今年まで、全国高校女子硬式野球選手権の決勝に甲子園が使用されるようになり、夢が現実となった。やっすんさんは「マンガでは『女の子だって甲子園!!』と言ってきましたが、正直無理かも、と思っていました。決まった時は驚きました」と話し、ヤマブキさんは「涙が流れるほど本当に嬉しかった。マンガを描いてきて夢がかなったと思いました」と振り返った。両者はともにわかさ生活の社員として、東京でマンガ制作にほぼ専念。また、元女子プロ野球選手からも複数人が同社の社員になっているという。
9月には約1年ぶりに単行本13~15巻が一挙発売される。ヤマブキさんは「甲子園の夢は実現しましたが、もっと女子野球の魅力が広まるよう、楽しさを伝えたい。作品を呼んで野球を始めました、という女の子が増えてほしい」と新たな夢を語れば、やっすんさんも「サッカーの『キャプテン翼』のような作品を、女子野球で目指したいですね」と呼応していた。13日のコミックマーケット最終日も出展する。