一発ギャグの応酬など独特の芸風で注目を集める、お笑いコンビのフースーヤの田中ショータイムと谷口理がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースのインタビューに応じた。デビュー8年目の2人が自分たちの漫才に対する思い、芸人を続けてきた中での秘話などを語った。
8月25日に「Warai Mirai ナイト&ライト」(大阪・大阪城音楽堂)に出演。昨年は豪雨に見舞われただけに、谷口は「今年は何倍も盛り上げたいと思います。芸人さんもアーティストさんもすごい規模なので、普段のお笑いライブではない、本当にフェス感みたいなものを、僕らも出せればと思います」とアピールした。
高校生の同級生。谷口がお笑いを目指したきっかけは、小学生の頃に両親が夫婦げんかの最中で険悪な雰囲気だった家庭を、テレビに映ったお笑い芸人のくまだまさしが一気に明るい雰囲気に変えてくれたことに感動。「かっこいいなあと。もともと人前でふざけるのが好きだったので」と明かす。田中は高校生の頃、大ファンだったジャルジャルがロケで多くの女性に追いかけられる姿を見て「芸人になったら、こんなにモテるんか」と、モテたい一心!?で決意した。
大学4年生時にNSC大阪校へ38期生として一緒に入学。2016年にデビューした。現在は一発ギャグの応酬をしながら、掛け合いをする独特の芸風だが、NSC当時は王道漫才を目指していた。谷口は「2人ともメッチャ好きなナイツさんみたいな漫才をやろうと。(マイクの前で)一歩も動かない、本当のしゃべくり漫才。でも、あれ違うな」としっくりこなかった。田中も「なんか面白くない、楽しくないなあ」と違和感があった。
自分たちのスタイルは何か。さまざまなパターンを考えた。組み体操漫才、フリップ漫才、舞台上にバナナの皮を置いて、その上を滑る漫才…。谷口は「いろいろやりました」と振り返る。田中は「めっちゃ試行錯誤して、気がついたら、2人でギャグをやる漫才にたどり着きました」と話した。
唯一無二、オンリーワンのスタイルだけに、受け入れる人もいれば、受け入れてくれない人もいる。谷口は「全員にウケていたら、もう売れていると思います。まだ、はまる人とはまらない人がいるのは当然かな」と納得。田中は「お客さんに寄せなアカンけど、寄せすぎたらフースーヤとしての良さも消える。自分たちがやりたいことと、お客さんの笑う芯のところを見つけていくのが大事かな」と前を向く。ただ、口をそろえて「僕らのままで、よりたくさんの人に笑ってもらえるようにはなってきたかな。テクニックはついてきたと思います」とキャリアを重ね、マイナーチェンジを繰り返しながら徐々に芸風も浸透してきた。
励みになる出来事があった。デビュー2、3年目の頃の東京でのライブ。中学生の娘と一緒に出待ちをしていた母親から「娘はずっとひきこもりで部屋から一歩も出なかったんですけど、テレビでフースーヤさんを見て、メッチャ面白い、生で見たいとなってライブに来たんです。きょうも面白かったです」と声をかけられた。娘にも「面白かったです」と喜ばれた。
谷口は「ホンマにうれしかったというか、仕事冥利に尽きるというか。ホンマにやっていて良かったです。めっちゃ励みになります。僕らの知らないところでも、こういう人が増えたらいいなあと思います。今でも2人の顔を覚えています」と当時を思い出し感激の面持ち。田中は「いい話やなあ」と照れくさそうにかぶせた。
独自の漫才スタイルを貫くコンビが、これからも全国に新しい笑いを届ける。
◆フースーヤ 兵庫県出身で高校の同級生だった田中ショータイム(30)と谷口理(30)が2016年に結成。NSC大阪校38期。テレビ、ラジオ、舞台などで活動。