子どもにとっては待ちに待った夏休み。その一方で、宿題にはついつい目を背けがち。親子関係心理学の専門家である三凛さとし氏はこのほど、小学生から高校生の子どもがいる30歳以上50歳未満の母親1271人を対象に「子どもの生活態度」について調査。子どもが宿題をやらない理由、それを自発的にやらせる方法を解説した。
子どもの生活態度について「やるべきことをやらない」「言うことを聞かない」「態度が悪い」「会話をしない」の中から該当するものを聞いたところ、最多は「やるべきことをやらない」で、52.1%が回答。次いで、「言うことを聞かない」(36.3%)、「態度が悪い」(22.0%)、「会話をしない」(5.9%)と続いた。「あてはまるものはない」という回答は33.1%にとどまり、約67%の母親が子どもの生活態度に難しさを感じていることが明らかになった。(合同会社serendipity調べ)
なぜ子どもはやるべきことをやらなかったり、親の言うことを聞かなかったりするのか?三凛氏は最大の理由を「親や学校から『やりなさい』と言われることが、その子の“最高価値”と結びついていないから」と指摘する。
人間行動学の世界的権威であるジョン・F・ディマティーニ氏が提唱した「価値の序列」によれば、人には大きく分けて「精神性」「経済」「仕事」「知識・学習」「娯楽」「家族」「人間関係」「美容・健康」という8つの価値があり、その優先順位トップ3~4に入っているものでないと意識にも行動にも結びつかないという。
「これを子どもに置き換えると『経済』『仕事』がない代わりに、熱中しているスポーツ、ゲームなどが序列の上位に入ってくる可能性が高い」と三凛氏。つまり、スポーツやゲームと宿題との間に関連性を見いだせないと、学校の勉強がおろそかになるのは、人間行動学の観点では当然の結果といえる。
親ができることについて、三凛氏は「勉強や部屋の掃除のような、子どもにとって『やるべきこと』をすると、スポーツやゲームといった『最高価値』にどんなメリットがあるのかを一緒に考えること」と指摘する。
例えば、やるべきことが「部屋の掃除」、最高価値が「サッカーの試合で勝つ」の場合、メリットを「整理整頓することで、ユニホームを探す時間が省け、もっと練習できる」、デメリットを「整理整頓しないことで、生活環境が乱れ、サッカーの試合で集中力が発揮できなくなる」などと設定。一見、関連性がないように見える子どもの「やる気が出ること」と「やるべきこと」を関連づけることで、自発的にやる確率が上がるようになる、と解説した。
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