1983年(昭和57)7月15日に発売された任天堂の家庭用ゲーム機・ファミリーコンピュータ(ファミコン)が、15日で40周年を迎えた。
東京都の会社員でユーチューバーのSOMARIさん(36)は2021年3月、市販されたファミコン用ソフト全1053本を箱、説明書付きでコンプリートしたのに続き、2023年5月7日にディスクシステム用のディスクカード199タイトルを同条件で全収集を達成した。
最後の1タイトルは、1988年(昭和63)8月10日に書き換え用ソフトとしてリリースされた「谷川浩司の将棋指南Ⅱ 新版詰め将棋 次の一手」(ポニーキャニオン、500円)。オークションサイトで49万1500円で落札し、本物であることを確認した。
ファミコンとディスクシステムで、快挙を達成したSOMARIさんは「ラベルシールだけ複製した偽物もあり、届くまで見るのが怖かった。自分でもディスクカードを全部集められるとは思っていなかった。驚いているというか実感が湧かなかったが、ツイート用に写真を撮って本当にそろったんだと実感が湧きました」と話した。
SOMARIさんが最後まで収集に苦心した「谷川浩司の将棋指南Ⅱ 新版詰め将棋 次の一手」は、ディスクシステムの書き換え専用ソフトだった。ディスクシステムのソフトは、玩具店などに備え付けられた「ディスクライター」と呼ばれる端末で新しいゲームに書き換えられたが、このタイトルはディスクライターで配信されておらず、任天堂の本社、支社などに郵送でディスクカードを送り、返送してもらう必要があった。
ファミコンの最後の1本は、2021年3月に購入した「スノーブラザーズ」(東亜プラン、91年発売)を7万2500円で購入。「谷川浩司―」とともにレアな1本と呼ばれたディスクシステム用ソフト「アイアムアティーチャー手あみのきそ」(ロイヤル工業、86年発売)は2022年6月、店頭で6万5000円でゲットした。これまでに使った金額は、ソフト購入だけで500万円にのぼるという。
5歳のころに友人宅で触れた「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂、85年発売)にファミコンの魅力に惹かれた。中学1年生だった2000年12月、初めてのファミコンソフト「機動戦士Zガンダム ホットスクランブル」(バンダイ、86年発売)を手に入れてから22年半。日本ゲーム史を逆行していき、コンプリートを成し遂げた。
今後は非売品のファミコンソフト収集や、いま持つソフトを状態のいいものに変えてきたいという。「ファミコンはやっぱり、人生のパートナー。大きいですね。人生の半分は占めています。当時の本体が故障していないのもすごい」と話すSOMARIさん。初代ファミコンの誕生から40年。昭和の子どもたちをアツくさせたゲーム機は令和5年の夏、当時と変わらず大人たちの胸を焦がす。