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怨念の場所はあの広場 女優の怪談師が手がけたお化け屋敷「大阪都市伝説 赤い女」が梅田にオープン

チコ山本 チコ山本
お化け屋敷「大阪都市伝説 赤い女」
お化け屋敷「大阪都市伝説 赤い女」

 大阪の都市伝説のひとつ「赤い女」をモチーフにしたミッション型のお化け屋敷が大阪・梅田の商業施設「HEP FIVE」8階のHEPホールに初お目見えした。お化け屋敷「大阪都市伝説 赤い女」は、女優で怪談師、作家としても活躍するCocoさんがプロデュース。梅田にある「あの広場」が怨念のシンボルとなっている…と書いたところで、思い出してはまた怖くなった。期間は15日まで。その後、7月23日から8月20日まで開催される。

◆恐怖体験、2度も腰を抜かしそうに

 赤い鳥居をくぐってすぐ。アラ還を迎えた、いい大人が思わず腰を抜かしそうになった。何かが上から落ちてきたのでは…。しかし、これはほんの序章。薄暗い建物の中、奇妙な風が吹き、ときおり異臭まで漂う。次に突然、血まみれの男が飛び出し、再び後ずさりしてしまった。さらに、その先に待っていたのは…。

 これは初日の報道陣向け体験会での出来事。恐る恐る参加した記者は怖い話が大の苦手ということもあり、だんだんと追い込まれ、恐怖はどんどんと深まっていった。

◆恐怖は続き、思わずちびりそうに

 時間にして5分ほど。それ以上に長く感じたのは言うまでもないが、来場者が体験するのは「赤い女」の脳内世界という設定だ。最終的には赤い女の怨霊を鎮めるため、あるミッションを遂行する。敷地内は「鳥居」「ひな人形」「地蔵」「中学時代」など6つの不気味なエリアに分かれており、彼女の過去をたどりながらクライマックスを迎える仕掛けになっている。

 なかでも、ドアを開けてOL時代の「赤い女の部屋」に入るあたりが恐怖のピークか。布団の中から女が飛び出して来るのではと、正直ちびりそうになった。

◆どこかにあった事件がモチーフ

 はじめに観る紙芝居風のビデオも実に効果的。制作側の狙い通りに没入してしまった。ときは昭和50年代の大阪。健気な銀行員の女は悪い男にだまされ、大金を横領し、高飛びを計画する。しかし、男は待ち合わせの「広場」に現れず、その後、女は人生を台無しにする。どこかで実際にあったような話がアラ還世代には信憑性をもたせ、心に刺さった。

 そんなストーリーを演出したのは、この世界では広く知られた京都出身で女優、怪談師のCocoさん。3年前からホラープランナーとしても活躍する一方で、女優としても今回「赤い女」の1人として演じている。

 「2チャンとかでもよく知られた赤い女を自分なりに解釈し、激しい恨み、つらみをもった女性をどう演じるか。制約のある中で、最大限の効果を狙って、みんなで力を合わせてストーリーをつくりました」

◆「思い切り悲鳴を上げてください」

 今回の特徴は役者が演じるお化け屋敷となっており、オーディションで選ばれた女優が日替わりで「妖女」を演じる。Cocoさんが審査員も務め、すでに5人がクリア。来場者に合わせて臨機応変に出るタイミングや声量、声のトーンを変え、追真の演技を見せてくれる。

 Cocoさんは「舞台が昭和なので、それらしい服を選ぶところから始めました」と苦笑いしつつ「みなさんを全力で殺しにかかるので悲鳴を上げてください」と意気込んでいる。

 物語の最後は陰陽師の手で一度は封印された「赤い女」が復活しようとしており、来場者は因縁の広場に置かれたお札を手にして、それを阻止するというミッションが課せられた体験型になっており、同行した記者との連帯感も生まれ、不思議と達成感もある。それ以上に、体験後の安堵感は何物にも代えがたいものだった。

 「体験した後に、お客さんの顔が笑いに変わったり、友だち同士で、あそこ”ヤバかったね”と話したりしているのをみると、やったねと思います。お化け屋敷のあとは赤つながりで赤い観覧車にもぜひ乗ってみてください」とCocoさん。

 私、マダ梅田に怨デ。こんなコピーをみるとゾッとするが、確かにカップルにはこの夏、梅田はもってこいかもしれない。

 関係者は日本のホラー映画が「Jホラー」として海外でも受けていることから今後はインバウンドにも目を向けていくという。

◇お化け屋敷「大阪都市伝説 赤い女」

 第1期=6月30日(金)~7月15日(土)、第2期=7月23日(日)~8月20日(日)
 営業時間=11:00~21:00 (20:30 最終受付)
 開催場所= HEP HALL
 大阪市北区角田町5番15号 HEP FIVE 8階 
 入場料 平日1500円(税込)、土日祝2000円(税込)
※別途 チケットシステム利用料5%がかかります。
HP : https://akaionna.net/

 ◇Coco(ココ)  京都オカルト商会代表、京都市出身。怪談師兼ホラープランナー。 共著に「京都怪談 猿の聲」、「関西の怖い街 京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌山のこわい話」がある。 単著に「怪談怨霊館」竹書房がある。怖いものが得意な人も苦手な人も楽しめるお化け屋敷をモットーに制作している。TikTokのフォロワー数は20万人、SNSの総フォロワー数は30万人を超えるホラーインフルエンサーの顔も持つ。

YouTube : https://www.youtube.com/c/occultravel/
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