トレーニングジムのマシンにちょこんと座る異様に小さすぎる男性。背もたれ部分の傾斜を利用し、滑り台の要領で滑り落ち、マシンの隙間へ一直線!そこへ、男性が登場し、このマシンを使うため傾斜の角度を調整しようとすると……ブラックなオチが展開する!他にも、トレーニングジムのマシンでテトリスをするナンセンスな作品から、犬とじゃれる女性を見ながらよからぬ想像をしてしまうシモネタまで、幅広いアプローチから笑いを追求し続けるギャグ作品──ハマれば抜け出せない異色作として話題!
トレーニングジムを中心としたギャグ作品を次々とSNSに発表している、漫画家の寺岸ひろしさん(@tera_bayashi)。結婚後、すべての夢をあきらめたという寺岸さんは、あるきっかけから「まだ夢の続きがあったんだ……」と37歳から漫画を描き始め、今ではこの作品に「ハマれば抜け出せない!」と多くの読者から好評を博している。そこで今回は、他に類型を見ない独特の世界観から生み出される作品の背景について、寺岸さんに話を聞いた。また、本記事では、SNSで話題となった作品も特別に紹介する。
バズーカ岡田からも褒められたギャグ作品
起承転結や“フリとオチ”という笑いのセオリーを打ち破り、“裸でトレーニングをしようとする男性”や“タイ人の成人男性の平均体重からの気付き”など、独特の視点で描かれる寺岸さんの作品。その笑いの原点については、「特に思いつきませんが、子供の頃に親がギャグ漫画を与えてくれなかった反動だと思います」と、肩透かしの回答をする寺岸さん。
また、“筋トレ”をテーマにした作品が多いためか、“裸”であることが笑いの軸になっているのも特徴。その点について、次のようは話をしてくれた。「とにかく明るい安村さんが同じ高校の2個上の先輩だったらしいんですよ。接点はありませんでしたが、安村先輩も裸にこだわりを持って今では世界で安心してもらっているように“裸を慈しむ心”を培う環境が高校生活にあったのだと思います」
王道とは言えない作品ながらも、今ではTwitterのフォロワー数は1万人に迫るほどファンを拡大しており、筋トレ界のヒーローであるバズーカ岡田からも反響があったという。「日本体育大学体育学部教授でありボディビルダーでもある岡田隆先生ことバズーカ岡田先生に『マンガ面白いです』と言っていただいたことがあります。それからは、“本物ボディビルダーのバズーカ岡田のあの腹筋を(笑わせすぎて)崩壊させた男”と自認しております。あとは、フォロワーさんが私の漫画を切り抜いてリプなどで使ってくれるのがめちゃくちゃ嬉しいです。いつか著作権を主張してまとめて訴えたいと思っています(笑)」と、冗談まじりに教えてくれた。
今後の作品については、「トレニーングジム内でTwitterのフォロワーさん達をモデルに殺し合いを行ってもらう漫画を描きたいと思っています。漫画に出演したい方のTwitterフォローをお待ちしております」と、どこまでも寺岸さんらしい回答で締め括ってくれた。この笑いを研ぎ澄ませ、今後はどのような作品を描いてくれるのか。楽しみでならない。
<寺岸ひろしさんInformation>
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