セーラームーン完結作 敵役の林原めぐみ、三石琴乃の演技に驚き「どうしてそんなにピュアを持っているの」

山本 鋼平 山本 鋼平
劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」(前編)公開記念舞台挨拶に登場した林原めぐみ(左)と三石琴乃=都内
劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」(前編)公開記念舞台挨拶に登場した林原めぐみ(左)と三石琴乃=都内

 公開中のアニメ映画、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」前編(髙橋知也監督)の舞台挨拶が10日、都内で行われ、声優の三石琴乃(エターナルセーラームーン/月野うさぎ役)と林原めぐみ(セーラーギャラクシア役)が白熱の収録を振り返った。

 「新世紀エヴァンゲリオン」の葛城ミサトと綾波レイなど、多くの人気作品の主要キャラクターで共演してきた同世代の両者。林原は新シリーズ完結を迎える今作でラスボスを演じ「最後の敵になれて幸せです」と挨拶。キャラクター同様にド派手な金色ドレス姿、赤のカラーコンタクトレンズを装着して登場し、意気込みの強さを示した。

 2年前に行われた収録は、コロナ禍の制限があった。別々に単独での収録が珍しくない状況だったが、両者によるクライマックスは、同じ現場で声を吹き込まれた。髙橋知也監督が「二人の掛け合いによって、三石さんのタカが外れていく盛り上がりがあった」と驚く熱を生んだ。

 林原は「私はセーラームーンという作品に多くは関わっていないけれど、90年代を走り抜けた自分の忙しさであったり、琴ちゃんの頑張りだったり、収録していた今はなき(スタジオの)タバックとかね、セーラームーンというワードで、皆さんが思い出すものが十人十色であるように、私の中にも景色があります。30年近い作品の最後で戦うにあたり、全部楽しませてもらおうと思い、楽しませてもらいました」と笑顔でうなずいた。「彼女(セーラーギャラクシア)には闇落ちしている理由があり、彼女の中では正義の行動である。正面から殴りかかる怖さではなく、隙があれば後ろに立っているような背筋が凍る怖さを意識しました」と役作りを振り返った。

 三石は「普段は何でもないところで会えば普通に話をしますが、それぞれ背負っているものがあるので、役の空気感を持ってスタジオにいました」と話し、林原は「多少挨拶しても、収録になったら口をきかない。それは当然なことで、戦いが終わってから林原めぐみと三石琴乃に戻って和んだんですけど、スタジオでは『この二人マジで仲悪いんじゃない』という空気でした。お互い楽しんでいました」と呼応した。

 セーラームーンでの共演で、林原は三石に対して他の作品とは違った感想を抱いたという。「私はなんにも琴ちゃんのことを分かってないんだなと。うさぎちゃん(の演技)を聴いたときに軸がぶれました。どうしてそんなにピュアを持っているのって。いろいろな人生経験を積んでいるのに、スッとそこ(ピュア)に帰れるところに、やられる感じがありました」と三石の演技に面食らった瞬間を吐露。そして「うさぎちゃんはヒロインなんだけどぐずぐずで、皆に守ってもらうことで彼女がより力を増すことが、ギャラクシアにはないから『お前のその信じてるものバラバラにしてみせる』みたいな気持ち。そこを遠慮せずにやれました」と自身の演技を振り返った。

 舞台挨拶には水樹奈々(セーラー火球/火球皇女役)、早見沙織(セーラースターメイカー/大気光役)、佐倉綾音(セーラースターヒーラー/夜天光役)も登壇。同作の後編は6月30日に公開される。

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