松本零士さんの信念は「俺は俺の旗の下に生きる」長女が明かす親子げんか、父の物語を守る決意

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
「松本零士先生 お別れの会」で設けられた祭壇(C)松本零士/零時社
「松本零士先生 お別れの会」で設けられた祭壇(C)松本零士/零時社

 2月13日に85歳で死去した漫画家、松本零士さんのお別れの会が3日、都内の東京国際フォーラムで2部構成にて開かれ、約3000人が参列した。

 「銀河鉄道999」「宇宙海賊キャプテンハーロック」「宇宙戦艦ヤマト」など、宇宙を舞台とした名作を次々に生み出した巨匠にふさわしく、お別れの会では宇宙をテーマとした祭壇が設けられた。妻で喪主を務めた漫画家の牧美也子さん、長女でコンテンツを管理する零時社代表を務める松本摩紀子さんがそれぞれ謝辞を述べた。

【牧美也子さんの謝辞】

みなさま、今日は、こんなにたくさんおいでいただきまして、本当にありがとうございました。長年、松本は本当に自分の好きな仕事を続けまして、みなさんの心の中に何かを残してきましたことを、同じ仕事をしている漫画家としての私も非常に共感、嬉しく思っております。

今後とも、松本の仕事が、みなさまの心の中で生き続けてくれることを願っております。

本当に今日はありがとうございました。

【松本摩紀子さんの謝辞】

本日はご多用のところ、また、あいにくの雨模様の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。私、松本零士の長女で、松本の著作権などの管理をしております零時社にて代表を務めております松本摩紀子と申します。

松本におきましては、生前、皆様に大変お世話になり、誠にありがとうございました。ご存知の方も多くいらっしゃるかと存じますが、「俺は俺の旗の下に生きる」というポリシーの下に、私が松本の手伝いを始める以前は、マネージャーも置かずにおりましたが、その結果、遅刻とオーバーブッキングや、お約束のすっぽかし…大遅刻とか締め切りを守らないとか、色々ございました。家族は見ていてハラハラしていたのですが、この場をお借りしまして、松本に代わりまして、謹んでお詫び申し上げます。

松本とはよく、そのことで口喧嘩をしていました。「お父さん、そんなことをしていると、お父さんに何かあった時、誰も来てくれなくなるよ」と私が申しますと、それに対して松本は、「何を言うか!俺はまだくたばらん!」と、結局は単なる親子喧嘩になってしまい、そもそもの問題の解決には至らずにおりました。

そして今日、とうとうその日を迎えた訳でございますが、長いコロナ禍というトンネルを抜けて、松本がお目にかかりたかった皆様にこうしてお集まりいただけたことに、心から感謝と御礼を申し上げます。

これより松本は長い旅に出ます。

「遠く時の輪の接する処で再び巡りあえる」と松本はよく申しておりましたが、それがいつになるのか全く見当もつきません。永遠と言えるほど遠い未来なのかもしれませんし、私達の考えるそれとは違う違った方法で訪れるのかもしれません。

ですが、一つ確かなのは、その時まで、松本が遺したキャラクター達や物語を大切に預かり、見守り、育てていくことが、私達の責務であり、それが松本との約束だと思っております。

至らない点も多々ございますが、精一杯精進してまいりますので、皆様方におかれましては、今後とも引き続き、ご支援を賜れますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。以上を持ちまして、私の挨拶とさせていただきます。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース