日常で起こったリアルな出来事を臨場感あふれる文体で綴る、今SNSで話題の短編作品。電車内で泣き出す赤ちゃんと周囲に謝る母親をかばおうとした著者が、些細な言い間違いで巻き起こる壮絶なトラブルをはじめ、実家に掛かってきた振り込め詐欺師との顛末や、「Siri」をめぐるショップ店員との攻防など、想像を絶するオチの数々がクセになる!
Twitterとnoteに、真実か定かではない抱腹絶倒の短編を投稿している、やーこさん(@yalalalalalala)。すでに多くの読者を魅了しており、特にTwitterの方ではテキスト主体の作品では珍しく、高い表示回数を誇り、なかでもブックマーク数が1万を超える作品も発表している。今回は、Twitterに投稿された作品の中から選りすぐりの3作品を紹介すると共に、作者のやーこさんに創作にまつわる秘話について話を聞いた。
「ジュラシックパーク」みたいな人間と遭遇することも
そもそも、こうした独自の作品を発表し続けるやーこさんとはどのような人物なのだろうか。ほとんどプロフィールなどが公開されていない中で、これまでの歩みについて教えてくれた。「特に今まで、これといった活動をしたことはなく、定期的に書いてSNSに放流しているのは今回が初めてです。 ただ、書くのは好きで短編小説はときどき書いていました。そして、青春がテーマのコンテストなどに応募もしましたが、ことごとく落ちました。青春と私は相容れないようです」
そんなやーこさん作品の特徴といえば、真実か否か、思わず推測したくなるストーリー性。この作風については、「身バレなどした時には、我が家に大量の落書きが施され、(漫画作品『グラップラー刃牙』の)『刃牙の家』みたいになりかねないので、起こった出来事の時間軸や、その時の登場人物を多少変えて書いたりもしております。ですが、すでに何人かの同級生や知り合いにバレました。彼らの温情に全てが握られています。我が家が刃牙の家になる日も近いです」と、笑いを交えて話す。
また、とことんまで“笑い”に振り切るのが、やーこさんの作品の魅力。その点については、周囲の環境が影響していると話す。「もし私の書く物が“笑い”に振り切れているのだとしたら、電車一つ乗るのでも、さりげなく席を譲る人や、ベビーカーが乗りやすいように自身が盾になりスペースを開ける人などが大勢おり、実は何かに巻き込まれるよりも、そのような光景をよく目にしますので、そのおかげで私にも気持ちに余裕が生まれ、そうなっているのかなと思います。もちろん、人と関わる故、中身がジュラシックパークみたいな人間に遭遇することも稀にありますが、そこは酒を飲んで忘れますので文章に現れません」
こうした作品に引き寄せられるのは一般読者ばかりではない。その業界では名の知られた、イラストレーターの栖周さん(@sumiamane)もファンアートを投稿し続けるなど、ますますその人気は広がり続けている。そして、次の目標については、「行けるところまで行ってみようと思ってます。やはり読んでもらえると凄まじく嬉しいです。リプライは全て読むほど嬉しく、送ってくださった人達は自覚がないかもしれませんが、本当に支えてもらっています。お陰様で日々、狂喜乱舞しております。酒も倍、美味しくなります」と、最後まで笑いで締め括ってくれた。
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