ニルヴァーナのボーカル、故カート・コバーンさんが破壊したエレキギターが60万ドル(約8300万円)近くで落札された。1990年代初期、カートが大ヒットアルバム『ネヴァーマインド』を制作中に破壊したフェンダー社の黒のストラトキャスターが、ニューヨークのハードロックカフェで開催されたオークションで驚愕の値段をつけた。
1994年に27歳で自らの命を断ったカートの遺品についてジュリアンズ・オークションズのコビー・フレデリック氏はこう話す。「この人間は怒っていました。ステージの彼を見ればわかります。彼の楽器の扱い方を見ても、それを感じ取ることができます」
落札予想価格6万ドルから8万ドル(約830万から1100万円)を遥かに上回る値段となった同アイテムは、破壊された後、細心の注意のもと再び組み直されたものの、エレキギターとしての機能はないという。
更にボディにはシルバーマーカーでカート、デイヴ・グロール、クリス・ノヴォセリックらメンバー全員のサインが入っており、カートは更に友人でコラボーレーターだったマーク・ラネガン(昨年57歳で他界)に向けたメッセージも綴っている。自分の名前をよくスペルミスしていたことでも知られるカートだが、同アイテムでは「Kurdt Kobain」のスペルが確認できる。
ちなみにこのアイテムは1992年の「ネヴァーマインド」ツアーの北米編の最中にカートがマークに贈ったものだった。
カートゆかりのアイテムとしては、2年前には1993年の『MTVアンプラグド』で使用されたアコースティックギターが600万ドル(約8億3000万円)近くで落札されていた。