【漫画】動きが早すぎて残像に攻撃、男性遍歴ぶっちゃける母親→切ないオチが人気に 作者が語る真髄

橋本 未来 橋本 未来

 少年漫画でよく見かける対戦シーンで、相手の動作が早すぎることで残像に攻撃を仕掛けてしまうが……。対戦相手から思わぬ助言を受けて一気に切なくも笑ってしまう展開に。ほかにも、子どもを寝かしつけるためにこれまでの男性遍歴を惜しげもなく語る母親や、絶対に入ってはいけない森で虫取りしたお兄さんのブラックな結末まで、徹底的に笑いにこだわった、ギャグショート漫画が目白押し!

 ギャグ漫画に特化した登竜門として知られる集英社主催の赤塚賞をはじめ、これまでに3度の新人漫画賞を受賞したというSNS漫画家のふくらはぎ太郎さん(@BT62083209)。家族が増え、多忙な毎日に追われる中で、一度は漫画の世界から遠ざかったものの、昨年2022年の後半頃から突如としてTwitterにてギャグ漫画を投稿するようになったという。SNSでは主流となっている、やわらかいユーモアや、誰もが知る作品のパロディーではなく、独特の世界観の中で展開する激しいオチが読者から好評を得ている。そこで今回は、ショート漫画にこだわる理由から創作の工夫について、作者であるふくらはぎさんにお話を聞きました。また、本作では、ふくらはぎさんのオススメを中心に、評判となった作品を紹介する。

起承転結のリズムを外すところから生まれる「笑い」

 日々の忙しさの中で一時は、漫画から距離を置いていたふくらはぎさんが、再び創作に向き合うようになったのは「このままぼんやり死んでいくのは嫌だな」という思いからだったと話す。「(大きな野望があったわけではなく)心の潤いのために再び漫画を描き始めました。そのときちょうど、Twitterをやっていたので、そこにたまに漫画を載せ始めて、いつのまにか昨年後半から完全にギャグ漫画を描くアカウントにして、今にいたるような感じです」

 現在、Twitterに発表されているのが、4コマスタイルやショート作品となっている理由については、「4コマにこだわっている訳ではないですが、コマ割りなど考える必要がないので、フォーマットとして使っている感じです。ただ、起承転結のリズムが個人的にあまり心地よくないので、最近は少し外す感じで、だいたい5コマ漫画にしていることが多いです。多いと8コマ、10コマなどもたまに描いています」と、定番を外すことも一つだと話す。

 SNS漫画家らしくない独自の笑いを追求するふくらはぎさんは、なにを意識しながら創作に取り組んでいるのだろうか。「笑いを作る上で配慮しているのは、自分の中で安易な笑いになっていないかは一応、考えています。表現するのは難しいのですが、既存作品のキャラをそのまま使って過度に毀損するようなパロディ作品や、下ネタなどは極力自重しているつもりです。あと、内容をちゃんと伝わるように、言葉の配置や、単語の音としてより良い言い換えなどの微調整をして、“スムーズに読めるか”どうかは気を配っています。言葉を詰め込みすぎる癖があるので、絵を描くよりも文字入れの方に時間がかかることも多々あります」と話してくれた。

 そして、今後の目標については、作品同様に“らしい”答えを聞かせてくれた。「展望的としては、イーロンマスク的な人が毎月使いきれないくらいのお金をくれて、『お前はそこ(Twitter)で一生漫画を描いてろ』と言ってくれるような、そんな感じのことが起きれば良いですが……。無理そうなので、宝くじが当たるように祈っています。どなたか、足長おじさん的な人、お仕事として漫画を描かせてくださ〜い!」。創作に向き合う真剣さと、ユーモア性を大切にするふくらはぎさん。今後も変わらず、独自の世界を邁進する作品を発表し続けてほしいと思う。

 <ふくらはぎ太郎さんInformation>
 ▶Twitter /
https://onl.tw/r8zcJHh

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