藤井竜王、最年少名人&七冠に王手ならず 渡辺名人が意地の勝利 名人戦第3局

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
藤井聡太竜王(日本将棋連盟提供)
藤井聡太竜王(日本将棋連盟提供)

 将棋の藤井聡太竜王(20=王位・叡王・棋王・王将・棋聖との六冠)が渡辺明名人(39)に挑戦する第81期名人戦七番勝負第3局2日目が14日、大阪府高槻市の「高槻城公園芸術文化劇場」で指し継がれ、渡辺名人が勝利。渡辺名人はシリーズ初勝利を挙げ、対戦成績を1勝2敗とした。

 史上最年少名人および最年少七冠を目指す藤井竜王は第1、2局を制し、今局に勝てばともに王手がかかる展開だったが、渡辺名人の底力の前に屈した。

 今局では後手番の藤井竜王が角道を止め、渡辺名人が矢倉、藤井竜王が雁木に構え、じっくりした駒組みとなった。1日目終了前には駒がぶつかり始めたが、本格的に戦いが始まったのは2日目になってからだった。

 中盤は藤井竜王が巧みな指し回しでリードを奪ったが、勝負所で放った角を切る強手がやや疑問で、形勢が逆転。優勢となった渡辺名人は持ち時間でも優位に立ち、落ち着いた好手を続けて優位を拡大。藤井竜王の猛攻にも余裕を持って対応し、最後は藤井玉を即詰みに討ち取って待望の1勝目を挙げた。

 一時は優位に立ちながら形勢を損ね、苦しい戦いとなってしまった藤井竜王は、局後「本譜は少し攻め合いに行く指し方を選んだんですが、ちょっと攻めが細い形かなと言う気もしていたので、成算はなかったんですけど、どういう指し方がいいか、考えてもわからなかったというところです」とサバサバ。「中終盤で読みがちょっと足りなかったかなと感じたので、そこを次局以降、修正できればと思います」と反省を口にした。

 勝利した渡辺名人は、勝利を意識した手に93分を費やしたことに「踏ん切りがつかなかっただけで、なかなか行く決断ができなかった」と説明。「ここまで結果が出てなかったので、とりあえず良かったかなというところですかね」と喜びを語り、21、22日に福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で指される第4局へ向け「間を置かずにすぐにあるので、また勢いをつけて頑張りたいかなと思います」と抱負を口にした。

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