「ありのままを見てもらおう」芸能生活35周年を迎えた吉本新喜劇・島田珠代がなんばで記念公演

仲谷 暢之 仲谷 暢之

「壁にぶつけられることも水着を着ることも、パンティーテックスするのも、ありのままの自分を見てもらおうと思ってやってます」

今年、芸能生活35周年を迎えた吉本新喜劇島田珠代さん、50代に入り、「おばちゃんダンス」、「パンティーテックス!」など彼女にしか成し得ないキラーコンテンツを駆使し、再ブレイクを果たした。そんな彼女がいよいよなんばグランド花月にて座長として記念ウィーク公演を行うということで話を聞いた。

――35年振り返ってみていかがですか?

島田:ずっと、「私、ベテランじゃありません」って感覚で過ごしてきました。ですが20代の頃は「珠ちゃん」って言われてたのが、30代、40代は「珠代さん」に変わり、50代に入ってからは「珠代姉さん」に変わり、ようやく「あぁ長いことやってきてんな」と思いました。

まぁ時々、若い子たちに間違って「兄さん」って呼ばれることもあるんですけど(笑)。

17歳の頃に心斎橋筋2丁目劇場の舞台にピン芸人として立って、そのまま2丁目メンバーとして活動し、「吉本新喜劇やめよっカナ!?」キャンペーンが終わっての新体制になった新喜劇に20歳で入りました。右も左もわからない状態でしたけど、同じ時期に入団した今田耕司さんや東野幸治さんに守られて、ボケもちゃんと拾っていただいたり、悩みも聞いてもらったり…。

今でもお二人には足を向けられないくらい助けてくれはりました。

ーー新喜劇での今のキャラクターはいつ生まれたんですか?

島田:入団してすぐですね。当時、女子が20人くらいいたんですが、檀上茂さんという新喜劇の黄金時代を支えていた作家さんとの面談で舞台に一列に並ばされ、顔に穴開くんちゃうかってくらいの至近距離で見比べられ、一通り見た後に、私の所に戻ってきて「お前じゃ!お前がブス役じゃーっ!」って言われました。「壁にぶつかるのもお前じゃーっ!」って(笑)。

そこから私の新喜劇でのポジションが決まりました(笑)。今の時代じゃ考えられない決め方です(笑)。でも名指しで言われたらしょうがないですから、大先輩である楠本見江子さんや藤里美さんらがやってきはった伝統の壁ぶつかり芸を継承させていただきました(笑)。

でもそのまま泣き寝入りは良くないやろうって事で、ぶつかった後に「優しいのね」「男なんてシャボン玉」と言った、一言を入れるようにしました。東野さんはそれを言った後に、さらに私に回し蹴りをしてましたけど(笑)。

ーー影響を受けた座員さんはいらっしゃいますか?

島田:桑原和男師匠ですね。入団してはちゃめちゃばっかりやってた私でしたが、ある時、引いた芝居もやってみようと考えた時期があって、その時に参考にしたのが桑原師匠でした。芝居中の間や、動きのタイミング、話が進んでる時の脇におられる際の動きと言った芸風が凄く参考になりましたね。足すことばかりに向かっていた私が、引き算することも必要だなってことを覚えました。

――ここ最近は、そんな島田珠代が再認識、再評価されるようになりました。

島田:最初は「よしもと新喜劇NEXT~小籔千豊には怒られたくない~」で「鬼滅の刃」をプレゼンした時に私のボケを小籔くんが突っ込んで、面白いですよって拡散してくれたんです。で、番組の作家さんが色々とブッキングしてくれるようになって、「かまいたちの机上の空論城」で1日100ツイート生活という企画を経て、「相席食堂」でもさらにバズったみたいで…。

――水着姿でのおばちゃんダンスなどがSNSやサブスクでの番組配信などで拡散される様をリアルタイムで見て、その広がり方に驚きました。

島田:まだコロナ禍でしたから、そういうのに皆さん、飢えてはったのかな(笑)。100ツイート生活、最初は全然いけると思ってたんです。でも夜中2時くらい、60ツイート目くらいから頭が真っ白になって、水着姿になったらなんとかなるやろうっていう、昭和の芸人的発想になってしまって(笑)。

後で、映像を見たら、どう考えてもおばちゃんやんって自覚して、こうなったらありのままを見てもらおうという気になりましたね。2丁目劇場以来、一人でネタをするってことがあまりなかったので楽しんでます。

そういえば先日、「有吉の壁」に出させてもらったんですが、場所が大江戸温泉物語で、「やった!水着が着られるぞ!」ってガッツポーズしました(笑)。

――5月16日から1週間、なんばグランド花月昼興行の中の吉本新喜劇で島田珠代週をやりますが、いかがですか?

島田:正直なところ、とにかくみんな私のことを素通りして欲しいんです。素通りして行く人たちを振りむかせるのが好きなので、そういう癖なんです(笑)。

とはいえ、今回は辻本茂雄さんや浅香あき恵姉さんや未知やすえ姉さん、そして藤井隆くんたちが助けてくれはるので本当は楽しみです。

先日「土曜はダメよ!」の収録で8曲ほど藤井くんと即興でやり取りしてたらフットボールアワーの後藤くんから「ここで35周年の芝居作りやめてください」って言われました(笑)。その成果がきっと見られると思います!

◇ ◇

島田珠代(しまだ・たまよ)
1970年5月10日、大阪府生まれ。1988年、ピン芸人として心斎橋筋2丁目劇場で活動、その後、吉本新喜劇に入団。身体を張ったギャグで唯一無二の笑いを舞台を中心に発信している。

吉本新喜劇 島田珠代出演公演
https://shinkigeki.yoshimoto.co.jp/stage/detail/77

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