吉本新喜劇のゼネラルマネジャー(GM)に就任した間寛平(72)が、よろず~ニュースの取材に応じ、新喜劇GM就任の理由や今後のプランを明かした。寛平GMを入れて110人いる座員のうち、スポットライトが当たっているのは30人ほどだと指摘。「このままいったら終わり」と新たなスター発掘、若手発掘が急務とした。
日本ハム・新庄ビッグボス誕生のインパクトにも負けない!?寛平のGM就任。「近所の人から〝寛平ちゃん偉くなったな〟と言われるが、みんなGMの意味分かってなくて言うてるだけ。偉くなったんちゃうねん。なんとか変えようとしているだけやねん」。月例会見の実施や吉本新喜劇セカンドシアターの立ち上げ、10月10日の「新喜劇祭り」開催構想など、寛平流の大改革が始まった。
2021年6月に「芸能生活50周年+1記念ツアー『いくつになってもあまえんぼう』」を成功させた寛平GM。大盛況ぶりを目の当たりにした吉本興業の岡本昭彦社長から「新喜劇を盛り上げてほしい。若手とかを教えてやって、新しい新喜劇を作ってほしい」と、座長を超えるGMを打診された。芸人引退も考え始めた72歳での就任オファーに一度は固辞したが、妻の言葉に心を動かされた。
寛平GMは「今まで(吉本興業内で)居心地のいい場所に置いてもらって。恩返しするつもりでやったら」と、大役を引き受けるきっかけになった妻のひと言を振り返った。1970年(昭和45)に吉本新喜劇の舞台を踏み、1974年(昭和49)には座長に。89年(平成元)に退団したが「かい~の」「ア~~メ~マ~」など新喜劇でのギャグはいまもなお健在。「いまの新喜劇は時代に合った方につくられているが、迫力が欠けている」と見る。
往年の吉本新喜劇を盛り上げた島木譲二さんや岡八朗さんなど、強烈すぎるキャラの発掘が急務だという。「パンティーテックス」のギャグで再ブレーク中の島田珠代も、もう50代だとして「若い子を育てなあかん。下が育ってない。このままいったら終わりやもん」と危機感をつのらせた。
110人の新喜劇座員のうち、売れているのは30人にも満たないと指摘した。24歳で座長になった寛平GMは「ありえへん。吉本興業の社員一丸となって、吉本新喜劇を盛り上げようと頑張っている。一番頑張ってないのは若い座員。何してんねん。作家も集めてケツたたいている」と厳しい。若手座員や作家と面談し、痛感したのが切磋琢磨(せっさたくま)できる舞台の必要性だ。
新喜劇の公演が行われるのは、なんばグランド花月(NGK)とよしもと祇園花月の2劇場が中心。出番が少ない若手座員に出演機会を与えるため、NGK地下のYES THEATER(イエスシアター)で、4月8日から若手中心の公演「吉本新喜劇セカンドシアター」を立ち上げる。「チャンスやらなあかん。これでがんばらんかったら、辞めてもらわな」と奮起をうながした。
10月10日の「新喜劇祭り」では、ファン投票で選ばれた上位30人による公演開催をぶち上げた。現状の構想では、ファン1人が110人の新喜劇メンバーから「絡みを見てみたい」と思う3人を選ぶシステムにするという。「選ばれへんかったら切符のもぎりをやる。めだかさんはNGK前の掃除とか。自分をもぎりくらいにさせてほしい。いや、もぎりせなあかん」と、若手の台頭に期待する。
1959年に吉本新喜劇がスタートして63年。「ずーっとやってきている。これまで何億人を笑わせ、喜ばせてきたのか。それやから、めっちゃ頑張らなあかん。新喜劇をいい風にもっていかんと」と責任を口にする。定番ギャグなどマンネリが魅力のひとつの新喜劇に切り込む〝脱・マンネリ〟の大改革。相反する難しいテーマに、寛平GMが挑む。