コロナワクチンや食料問題、世界を牛耳る悪の組織まで、ウソかホントかわからない陰謀論をめぐる人間関係のトラブルが増えているようです。これまで仲が良かった家族や友人、仕事仲間とも仲違いしてしまい、中には絶縁状態に陥っている人も。愛知県在住のMさん(34歳)もそんな陰謀論トラブルに巻き込まれた一人です。突然、親友から送られてきたLINEがきっかけになり、今では一切連絡が途絶えてしまったと言います。一体、どのようなトラブルがあったのか、聞いてみました。
自宅に突如「これが証拠だよ」
Mさんが、陰謀論が原因でトラブルに発展したのは、学生時代の同級生で、卒業後もLINEのやり取りや食事に行くような友人だったそうです。そんな、気の許せる友人との関係がこじれ始めたのが、コロナ禍真っ最中に送られてきた「Mちゃんはマスクしてる?実はマスクをしても意味ないんだよ」というメッセージだったと言います。
「そのメッセージと一緒に、今まで見たことがない学者らしき人が『だから、マスクなんて意味がねぇんだよ!』『すべては政府が仕組んだ陰謀なんだよ!!』と強い口調で語る動画も送られてきました。正直、理解できずに『そうなんだ』みたいな曖昧な返事をしたのですが……」
その後、友人からのLINEはヒートアップし、「コロナは嘘」「地球温暖化は嘘」「5Gで監視社会が始まっている」といった、世間で陰謀論とされる情報が続々と送られてくるようになったとか。さすがに、Mさんも全てに返事をすることができず、既読スルーをしてしまうと、必ず「まだ、Mには理解できないんだよね。もっと勉強したらわかる。もっともっと一緒に勉強していこう!」と、逆にどんどんLINEが届くようになってしまったそうです。
会話やLINEのやり取りの全てがこういった内容ではなかったと言いますが、そういった話題を入れられることにMさんはうんざり。そして、ついに決定的な出来事が起こってしまいます。「安倍元首相が銃撃されたニュースを観て、とてもショックを受けていた時に、友人から『あのニュース観た?あれね、実はヤラセだったんだよ』というLINEが届きました。
事件にショックを受けていたこともあり、思わず『なんでそんなこと言うの。人が亡くなってるんだよ』と返信したら、それからプッツリと連絡が途絶えてしまいました。少し言い過ぎたかなと思ったのですが……友人は信じられないことをやっていたのです」
それから数週間後、Mさんの自宅に友人から荷物が届いたと言います。中身は、金属製の破片。手紙も添えられており、そこに書かれていた内容にMさんは恐怖を覚えたとか。「手紙には、銃撃された現場に何度も足を運んで証拠を探そうとしたこと。手がかりが見つかると必ず政府関係者らしき人に証拠を隠滅されてしまうこと。そして、やっとのことで銃撃がヤラセとわかる証拠を見つけた旨が綴られていました。金属製の破片は、殺傷性が極めて低い銃の弾丸とか書かれていました……。忘れられないのが、手紙の最後に力の入った震えるような字で『これが証拠だよ』と書かれていました。もう返事をするのも怖くなり……もしかすると自宅に押しかけられるんじゃないかと思い、大阪から愛知に引っ越ししました」。Mさんは寂しそうな表情で友人と絶縁状態に陥った顛末を語ってくれました。
大切な友人と疎遠になってしまったMさんは、寂しい日々を送っていると言います。いつか時間が二人の関係を修復し、あの時のように笑顔で語り合える日が来ることを願うばかりです!