渡辺明名人、藤井竜王に敗れ棋王戦11連覇ならず「いろいろ思い出はあります」 名人戦へ向け切り替えも

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
激闘むなしく敗れ、一冠に転落した渡辺明名人
激闘むなしく敗れ、一冠に転落した渡辺明名人

 藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖の五冠)が渡辺明棋王(名人との二冠)に挑戦した、将棋の第48期棋王戦五番勝負第4局が19日、栃木県日光市の「日光きぬ川ホテル三日月」で行われ、藤井竜王が132手で勝利。渡辺棋王は通算1勝3敗となり、棋王戦11連覇を逃した。

 激しい序盤から一時は劣勢となったが、渾身の粘りを発揮して形成を互角まで引き戻した。だが終盤前に放った勝負手が不発に終わり、再び流れを手放す展開に。渡辺は「ちょっと変な手なんで、あまり勝算はなかったですね」と振り返った。

 一進一退の攻防が続いた終盤戦だったが、最後は一気に押し切られ、「もう少し何かあったのかもしれない」と無念の表情。シリーズ全体を総括して「負けてしまった将棋はあまりチャンスがなかったので、もう少しチャンスがある将棋にしないと、やっぱりなかなか結果はついてこない」と反省を口にした。

 棋王位は2013年3月、第38期五番勝負で郷田真隆棋王(当時)から奪取し、昨期まで10期連続で獲得。自身にとって最長連覇のタイトルで、永世位の資格も得ており、思い入れは特に深い。ついに手放すこととなった〝相棒〟に「長い年月、出場させてもらったので、いろいろ思い出はありますけど、また出場できるようにやっていきたいと思います」としみじみと別れを告げた。

 さらに4月5日からは、再び藤井竜王を迎えての名人戦七番勝負が開幕する。「あまり間を置かずに、という形になるので、今回の棋王戦を振り返りつつ、また向かっていけたらと思います」と短い言葉に闘志をしのばせた。局後の大盤解説会や感想戦では、笑みも浮かべつつさっくばらんに話すいつもの姿に。さらに続く大一番へ向け、前を向き始めた。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース