ピン芸日本一決定戦「R-1グランプリ2023」決勝戦が4日、都内のフジテレビで行われ、芸歴10年目の田津原理音(29)が優勝。第21代王者となり、エントリー3537人の頂点に立った。
番組終了後に優勝者会見が行われ、トロフィーを手にした田津原は「想定してなかったこととしか…。これからどうしようという心配が大きい」と不安な表情も見せた。
栄冠をつかんだトレーディングカードの開封ネタは、2022年のR-1終了後から「舞台でもこのネタしかやってこなかった」と、1年間磨きを重ねた鉄板ネタ。「ミスはなかった。ファイナルステージで、ファイルキチキチにカードを作りすぎて入らなくて『あっ』と思ったが、審査には響かないだろうと。本当にめっちゃ落ち着いていた」と強心臓を見せた。
フリップ芸を、トレーディングカードの開封ネタに昇華させた。当初はフリップ大のカードだったが、お笑いコンビ・ビスケットブラザーズの原田泰雅(31)から「本物のカードを作った方がいいんじゃない?」とアドバイスされた。イラストや写真撮影が趣味で、カードも自作という。
過去にR―1を制した濱田祐太郎(33)、ゆりやんレトリィバァ(32)とは、NSC大阪35期の同期。ゆりやんからは「R-1王者は奈良から出る!」とLINEでメッセージをもらった。「1人でつくったネタじゃない。ビスケットブラザーズ、ニッポンの社長…いろんな人がネタを見てくれた。みんながやりたいことを代表してやっている感じ」と、大阪メンバーに感謝した。
2022年のM-1グランプリを制したウエストランドが「R-1には夢がない」とネタにし、R-1の〝夢がない論争〟が巻き起こった。田津原は「すごいプレッシャーです。今後、ちゃんとスターにならないと夢がないと言われる。銀河一、平場に弱いと言われているので、R-1に夢があると思ってもらえるよう頑張っていきたい」と、王者として風評をはね返すと意気込んだ。
2022年のR-1王者、お見送り芸人しんいち(37)はトロフィーを1年間持ち歩いた。「トロフィーが傷つくじゃないですか。重いでしょ?家に飾っておきます。トロフィーを持ち歩くムーブは終わりにしたい」と笑わせた。東京進出を夢見る「大阪市平野区住みます芸人」は、まばゆいスポットライトを浴びたが「本当にわからないことだらけ。どうすればいいか教えてください。優しく教えてもらえれば…」と、どこまでも低姿勢だった。