アニメソング界のベテラン人気歌手が故・水木一郎さんに歌声をささげた。たいらいさお、MIQ、山野さと子、新井正人が25日、神奈川・相模原市でコンサート「TWENTY‘S 20 世紀のアニメソング」に出演した。
歌い手が死去、引退、高齢など、さまざまな事情で歌われなくなった楽曲をカバーする企画。昨年12月に74歳で世を去った水木さんは〝アニキ〟の愛称で親しまれ、アニソン界をけん引してきた。NHK教育番組「おかあさんといっしょ」で、水木さんからうたのおにいさんを引き継いだたいらは、コロナ禍で中止になったコンサートで水木さんと一緒に披露する予定だったという「銀河の青春」(機甲艦隊ダイラガーXV)を熱唱。数多くのアニソンライブで共演したMIQは、水木さんの「ルパン三世愛のテーマ」をカバーした。そして親交があった山野、新井ら出演者全員で「マジンガーZ」を熱唱した。
たいらは昨年夏の連絡が最後になったといい、「水木アニキには45年間お世話になりました。テレビで比較的元気そうだったので連絡すると『オレはみんなに愛されているから大丈夫。元気がオレのとりえだから大丈夫』と返ってきました。最期まで熱い生き様を見せてくれました」と悼んだ。MIQは「親分肌で皆を引っ張ってくれました。アニソン界への責任感が強く、大嫌いな筋が通らないことに対しては、激しく怒る場面もありました」と回想し、「ルパンのように紳士で、女性には優しかったです」と、その人柄を偲んだ。
同コンサートではそれぞれが持ち歌を1曲披露し、カバー曲はおのおのに縁があるものが選ばれた。たいらは自身が担当する予定が突然変更された「マクロス」「ランナー」(超時空要塞マクロス)、MIQはヨドバシカメラのCMソングを引き継いだポプラの「SHOW ME YOUR SPACE~君の宇宙を見せて~」(スターザンS)、山野は若手時代にカバーした「恋の呪文はスキトキメキトキス」(さすがの猿飛)、新井はパル在籍時のプロデューサー荒木一郎が手がけた「傷だらけの栄光」(あしたのジョー2)などを歌い上げた。同企画を主催したものまねタレント、昭和文化研究家の剣持光も「僕はアニソンでなくパチソン」として声色を模して名曲を歌唱した。
◆主な演目リスト 「ガッチャマンの歌」「エルガイム-Time for L-GAIM」「アニメじゃない」「ドラえもんのうた」「復活のイデオン」「鉄人28号」「エイトマン」「ビッグ X」「ぼくらのパーマン」「ゲゲゲの鬼太郎」「妖怪人間ベム」「忍のテーマ」「ムーミン」「花のア太郎」「マッハ・ゴー・ゴー・ゴー」「ミクロイドS」「ふしぎなメルモ」「はいからさんが通る」「カムヒア!ダイターン3」「TRANSFORMER 2010」「果てしなき闇の彼方に」「コブラ」「シークレット・デザイアー」「翔べ!ガンダム」「STEP」「ラムのラブソング」「Lはラブリー」「Love with You ~愛のプレゼント~」「パジャマ・じゃまだ!」「宇宙は大ヘンだ!」「鉄腕アトム」