ガーシー参院議員「除名」に現実味 N党・立花孝志党首「なぜ急ぐのか」と猛批判 最悪の事態も覚悟

杉田 康人 杉田 康人
ガーシー前参院議員
ガーシー前参院議員

 NHK党の立花孝志党首(55)が17日、国会内で開かれた党の定例会見に出席し、国会欠席を続ける同党のガーシー参院議員(51)の除名が現実味を帯びてきたことに「なぜ除名を急ぐのか。ガーシーが国会に来ないことで、誰か困っているのか。国民生活の何が困っているのか」と批判した。

 21日に参院懲罰委員会(鈴木宗男委員長)が開かれ、同党政調会長の浜田聡参院議員(45)がガーシー氏の代理で出席。国会欠席を続ける理由を弁明する。懲罰案は議場での陳謝が有力で、22日の参院本会議で可決される見込み。3月上旬の参院本会議でガーシー氏が陳謝しなければ再び懲罰委に付託され、除名が濃厚となる。

 選挙で選ばれたガーシー氏を国会議員が身分を奪うことに慎重な意見がある一方、この日の野党の国対委員長会談では「一発除名」の声も出た。立花氏は「一発除名はないだろう」との見通しだが「辞めさせろというなら、6年間待てばいい。なぜ6年間待てないのか。任期があるのに、来ていないというだけで何の迷惑をかけているのか。嘘を言っているわけではない。幼稚なことをしているなと思う。変わり者への袋だたきだ」と語気を強めた。

 3月上旬に帰国し、同月下旬の参院総務委員会に出席する意思を示していたガーシー氏だが、帰国は白紙状態。陳謝の場となる本会議に登院しないと、同月中の除名が現実のものとなる。

 「出席しないとどうなるかということはガーシーに伝える」と、最終判断を預けた立花氏は「本当に除名していいのか。多数派の理論というのは怖い。感情論だけで、一発除名というのは恐ろしい。少数派を多数派がつぶすのは怖い」としながらも「除名をしたいということであれば、少数派の我々には抗う(あらがう)すべはない」と、最悪の事態を覚悟した。

 懲罰は重いものから除名、登院停止、議場での陳謝、戒告があるが、ガーシー氏が暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損(きそん)、威力業務妨害などの疑いで、警視庁から任意での事情聴取を求められていることに触れ「誰かが焦っているのかな。除名になれば(国会議員の)逮捕許諾を取らなくていい。何か除名を焦ることがあるのかなという疑いがある」と、除名に傾きつつある空気をいぶかった。

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