LE VELVETS・佐藤隆紀、ミュージカルで得た“寄り添う歌声” 山崎育三郎&城田優の助言で飛躍

藤丸 紘生 藤丸 紘生

 今年、結成15周年を迎えた4人組男性ボーカルグループ・LE VELVETSが、15周年記念コンサート「billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023」(3月17日、東京芸術劇場 コンサートホール。4月1日、京都コンサートホール 大ホール)を開催する。メンバーの佐藤隆紀(37)と佐賀龍彦(42)は「あっという間」と振り返った15年間だが、メンバーそれぞれがミュージカルの世界でも活躍するなど、着実に一歩ずつ歩みを進めてきた。2人にこれまでの歩みを聞いた。今回はその佐藤隆紀編。

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 LE VELVETSは、メンバー全員が身長180センチ以上で音大声楽科出身。テノールの佐藤、佐賀、日野真一郎(40)とバリトンの宮原浩暢(43)で構成され、クラシックをベースにロックやポップス、ジャズ、日本の民謡に至るまで様々なジャンルの歌を自由自在に表現してきた。佐藤は15年間を「あっという間でした。『目の前のことを一生懸命取り組んできたら、今日だった』みたいな感じ」と表現。佐賀も「あっという間に感じる」というが「15年前のストリートライブから始まって、ひとつひとつを考えていくと、そりゃ15年経つかって感じはしますね」と一歩一歩を着実に踏みしめてきた。

 15周年コンサートは、第1部で「クラシックの世界」、第2部では近年、メンバーそれぞれが活躍する「ミュージカルの世界」を届ける構成。佐藤は2019、21年にミュージカル「レ・ミゼラブル」で主人公ジャン・バルジャン役を好演した。ミュージカルの世界を知ったことで、クラシックでも「音の表情が変わっていったり、聴いてもらう音色が変わったりする」と感じたという。

 2015年、ミュージカルに初挑戦した当初はクラシックで培った歌声を響かせていた。しかし、「クラシックばかり歌っていると、どうしても技術によってしまう。いかに大きい声を、いかに安定して歌えるかっていうことがメインになってくるんです」と佐藤。声量と安定感を極める作業から、さらなる飛躍のきっかけをくれたのは、ミュージカルで共演した山崎育三郎(37)と城田優(37)だった。

 「僕がいい声でバーンって歌ったときに『なんでそんなデカい声で歌うの?』って。『近くにいる人に(大きな声で)好きだよ~って言わないじゃん』って言われて『あぁ、なるほど』って。全員がそうではないと思うんですけど、オペラの人って“俺の声”とか自分の持っているものを“どうだ!”みたいなところがあるんですけど、ミュージカルはお客さまに寄り添うというか、『こう歌ったら、(お客さまには)こう聞こえる』みたいな表現というものを学ばせてもらった感じはありましたね」

 佐藤は今回のコンサートで「レ・ミゼラブル」でも披露した「彼を帰して」をソロで、「民衆の歌」をメンバーとともに歌いあげる。21年の「レ・ミゼラブル」大阪公演は新型コロナウイルスの影響で中止となったことを踏まえ「楽しみにしていた関西の方はここで取り返してもらいたいなと思います」と期待を寄せた。

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