多様な姿で人々を魅了する猫の〝液体な姿〟に注目した写真集「ねこは液体」(青月舎)が昨年末に発売され、話題を集めている。人々を笑わせ考えさせた研究を表彰するイグノーベル賞で2017年、「猫は固体であると同時に液体でもあり得るのか」という調査報告で物理学賞に輝いたことを機にファンがさらに増えた〝液体ねこ〟に着目した企画。担当者に話を聞いた。
昨年9月から青月社で実施されたコンテストの応募作から構成。担当者は「イグノーベル賞を受賞したテーマでもあり、たびたび話題となる“ねこは液体”はまさに変幻自在、無限の可愛さを秘めたねこさんにぴったりです。ねこさんは、キュートな耳やしっぽだけでなく不思議すぎる体のやわらかさも魅力だと思っていました。そこで、これまで写真集という形で存分に味わえるものはなかった“ねこは液体”の出版企画を立てました」と説明。「ねこ好きの皆さまの激写した、ねこは液体説を証明する写真を集結させて、愛の詰まった一冊にするため、フォトコンテストを開催しました」という狙い通り、約1200枚の応募から、厳選された約130作品が収録された。
狭い隙間に入り、普段の姿から思いもよらないほどに伸び、液体のように自在に姿を変える柔軟さに満ちた姿、かわいくて癒される姿から、ちょっと笑えるおかしな姿まで、変幻自在な魅力が詰まった。
特に「すっぽり」「あふれる」「とろける」「ぐにゃん」「まざる」「ながーい」「みずたまり」の分類が印象に残る。
担当者は「もともと写真集の中でテーマをいくつか作るつもりでしたが、コンテストで写真が集まっていくうちに液体化したねこさんのジャンルがはっきりしてきました。一概に液体化といっても狭い場所に収まるだけでなく、あふれだしたり、みずたまりみたいにとけていたり…。観察するほど色々な様子が見えてきて“ねこは液体”の面白さを感じました。柔らかいからだで想像もつかない姿を見せてくれる液体ねこさんの魅力は無限大だと思います」と振り返った。そして「編集作業中は何度も同じねこさんの写真を見ていましたが、いつ見ても癒されていました。飽きるどころかますます愛おしくなる液体ねこさんの奥深さを実感しました。編集部では『かわいい』の使用頻度がとても増えました」と続けた。
さらに注目を集めそうなジャンル〝液体ねこ〟担当者は「ねこさん好きの人はもちろん、そうでない人も、全国から集まった“液体ねこさん”の不思議でかわいい姿にはきっと癒されると思います。普段とはちょっと違うねこさんの魅力をぜひ発見してください。フォトコンテストから選ばれたねこさんたちは表情まで液体化してしまっています。とろけるお顔にも注目です」と呼びかけた。