水素を鼻から吸入して悪玉の活性酸素が水に 足湯解毒機器で体内の毒素が可視化 療法中の実感なし

北村 泰介 北村 泰介
健康促進につながるという高濃度水素酸素吸入療法。鼻から水素吸入する間、ヘッドホンで音楽なども聴ける
健康促進につながるという高濃度水素酸素吸入療法。鼻から水素吸入する間、ヘッドホンで音楽なども聴ける

 健康促進や病気の予防につながるという観点から「高濃度水素酸素吸入療法」が注目されているという。コロナ禍の第8波を迎えているこの冬、免疫力アップにもつながる効果も期待して、東京・新橋駅前のビル内にある漢方整体院に足を運び、療法で使う器具を装着して体験取材した。

 〝サラリーマンの聖地〟などの異名で知られるニュー新橋ビル内にある「珍雲堂本店」の楊珍雲院長から施術を受けた。楊院長は1956年、中国・上海生まれ。病院の看護師としてさまざまな役職を歴任して医療に従事する傍ら、上海中薬大学で気功整体技術などを習得し、97年に来日。2年後、同ビル内に中国人として初出店した。「神の技」と称される〝カリスマ整体師〟としてテレビのバラエティー番組などでも紹介されている。

 その楊院長が4年ほど前から模索してきたのが「高濃度水素酸素吸入」を取り入れた施術。同院の本館はビル2階にあるが、昨年からこの療法に特化した別館を3階に作り、本格的な導入に踏み切った。楊院長は「鼻から高濃度水素酸素を吸入し、両足を足湯のように解毒健康機器に入れた状態でマッサージをします。体の老廃物を出すことで、不眠改善などにもつながります」と解説した。

 同院のスタッフは「4、5年前から水素吸入は注目されています。水素2、酸素1の割合で吸入することで悪玉の活性酸素を除去してくれます。毎日、添加物の多い食べ物を食べていたり、ストレスの多い生活をしていると、悪玉活性酸素が増え、それを原因として、がんなど万病の元になるわけですが、それが水素によって水になり、汗や尿として流れます。だから副作用がなく、自律神経も良くなりますし、呼吸器関係も良くなることでコロナ対策としても期待できます」と付け加えた。

 1時間のコースを体験した。鼻の両穴に、透明のチューブにある約1センチの突起をコンセントのように差し込み、そこから高濃度水素酸素が入ってくるのだが、気体が体内に注入されているという感覚が全くなかった。スタッフは「水素は非常に軽いですから感じないでしょう」という通りだ。その状態で湯を張ったデトックスマシーンに両足を入れる。赤外線やマイナスイオンなどの働きを活用した解毒機器だ。

 正直、水素吸入は実感がなかったが、足湯による解毒に関しては、そのビジュアルが衝撃だった。最初は透明だった湯が徐々に濁りだし、あかのようなものが浮遊し始めたと思ったら、やがて茶色や黒色の固形物のようなものが漂ってくる。さらに、茶色のあぶくが表面を覆う頃には、透明だった湯の色がこげ茶色になっていた。

  この現象について、スタッフは「足裏にある2万以上の毛穴から出た老廃物です。デトックスして老廃物と体の要らないものを水分とし、その色によって弱っている箇所の判定につながります。正式な医療ではないので断定はできず、その箇所に弱いところがあるかもしれないので気を付けて下さいということです。(指摘された場合は)漢方のサプリなどを飲むといいかもしれません」と説明した。 

 楊院長は肩甲骨の周辺や首、背中、頭頂などのマッサージを吸入と足湯との同時進行で進め、「あなた、顔がピンクになったよ。血行よくなったよ。スッキリね」と、足湯の汚れが気になっていた記者に対してフォローした。今後について、楊院長は「これから、コロナ後遺症をどうするかも問題ね。老廃物を出して免疫力をアップして、冷え性もなくして全身の温度上げれば、効果ある。そのために、どうやってお手伝いできるかを考えながら研究していきたい」という。

 即効性のあるものではない。日常的に継続していけば効果が表れるかもしれない…という療法ではある。だが、その現場からは、さらなる可能性を探り続けるスタッフの熱意が伝わってきた。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース