「ドラえもんのうた」山野さと子 うる星やつら、さすがの猿飛 約40年ぶりにカバー曲封印解く

山本 鋼平 山本 鋼平
山野さと子
山野さと子

 「ドラえもんのうた」「メイプルタウン物語」などのアニメソング、童謡の歌手として知られる山野さと子が、2023年2月25日に「TWENTY'S 20世紀のアニメソング」(神奈川・ 相模女子大学グリーンホール)に出演する。約40年ぶりに「ラムのラブソング」「恋の呪文はスキトキメキトキス」などの名曲と向き合う機会に「今だとどんな風に歌えるのか、自分でも楽しみです」と意気込んだ。

 1960年から80年代の、さまざまな事情でオリジナルシンガーが歌わなくなったアニメソングを取り上げ、現役のアニソン歌手がカバーを行うイベント。山野のほかに「復活のイデオン」で知られるたいらいさお、「ダンバインとぶ」のMIQ、機動戦士ZZガンダムの主題歌「アニメじゃない~夢を忘れた古い地球人よ」の新井正人が出演する。

 たいらいさおは「超時空要塞マクロス」の主題歌「マクロス」「ランナー」をカバーする予定で、制作時に当初は故・藤原誠はなく、たいらが歌う予定だったことが理由。MIQが「スペースコブラ」から「コブラ」「シークレット・デザイアー」をカバー予定なのは、故・前野曜子と同じハスキーボイスだから。新井正人が「あしたのジョー2」から、おぼたけしの「傷だらけの栄光」をカバー予定なのは、コーラスグループのパル在籍時に、作詞・作曲の荒木一郎が手がけた別の曲「夜明けのマイウェイ」が大ヒットした共通点から。山野は他の出演者とは趣が異なり、すでにカバーした曲を改めてカバーする形になる。

 山野は高校在学中だった1980年のオーディションをきっかけに、日本コロムビアの専属歌手としてデビュー。当時は同社からアニソンのヒット曲を集めたオムニバス盤が制作されており、山野は松谷祐子が歌った「ラムのラブソング」、伊藤さやかの「恋の呪文はスキトキメキトキス」、藤本房子の「パタリロ!」、かおりくみこの「Lはラブリー」などを多数カバーした。「別の歌手がカバーするのは珍しくない時代で、私はデビューしたて。これを歌って、と言われて。楽しかったですよ」と振り返った。

 印象深いのは「ラムのラブソング」で「セクシーな感じが松谷さんのようにうまく歌えなくて、『好きよ好きよ』の歌詞の部分は何度もやり直しました。まだ若くて照れがあったんだと思います」と回想した。一方で近年は「ユーチューブに私のカバー曲がアップされているせいか、オリジナルが私だと勘違いする方が多くて驚いています」と語る。最近も伊藤さやかがオリジナルと知らなかったFM局から事務所に「―スキトキメキトキス」の音源の問い合わせがあったという。

 デビュー当初はオリジナル楽曲が少なく、在住していた大阪でのミニコンサートではカバー曲をステージで披露した。「私は堀江美都子さんではありませんが…、と断って『キャンディキャンディ』を歌ったこともありました。『Lはラブリー』はよく歌った気がします」と笑った。大学卒業を機に上京して以降、カバー曲の歌唱は封印。久々の機会に「当時にはなかった気持ちや技術で、今だとどんな風に歌えるのか、自分でも楽しみです」と目を輝かせた。

 他にも出演歌手が子供時代に親しんだ「鉄人28号」「妖怪人間ベム」「マッハGoGoGo」などをメドレーで披露。「ゲゲゲの鬼太郎」「デビルマン」「ルパン三世」「エイトマン」などの楽曲も登場する。昼夜2回公演。チケット等の詳細は同公演の公式サイトまで。

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