足元が冷え、靴下の重要性を痛感する師走のこの頃。
レッグウェアに主軸をおくアパレルメーカー、株式会社ナイガイ(@naigai_news)のTwitterアカウントが靴下の歴史を紹介しているのが目に入った。
「昔の靴下 ご紹介
今でこそ履き口にゴム糸が当たり前のように使われていますが、実は国内で初めてゴム糸を挿入させたのは弊社でした。その当時はセルフィックスという商品名で販売。1930年代 に作られた1足です。」
今では当然のように備わっている靴下のゴム糸だが、それがない時代、人々はどのように靴下をはいていたのだろうか。
靴下の歴史についてナイガイ広報担当の可児さんからお話を聞いた。
野中比喩(以下、野中):今では当たり前の靴下のゴム糸ですが、歴史を知り改めてびっくりしました。
可児:弊社は創業1920年から靴下を多数アーカイブとして多数保管しておりますが、一般公開しているものではありません。Twitterの中でだけでも、多くの方に見ていただければと思い、写真付きで呟きました。
野中:靴下についての歴史的な背景を知りたくなりました。
可児:この靴下は1930年代に販売されていた「セルフィックス」というブランドのもので「履き口にゴム糸を使用した靴下」として日本国内で初めて1936年より販売されたものと言われております。
野中:それまでの靴下はどのようなものでしたか?
可児:1920年代の靴下には履き口部分にゴム糸は使われておらず、ガーターベルトで留めるなどでずり落ちを防いでいました。
和装から洋装へ少しずつ変化していった頃なので、レッグウェアも足袋から靴下へと移行していった時代。漫画「サザエさん」より前の時代です。この画期的な発明は世間に大変大きな反響を呼んだと言い伝えられています。
第二次世界大戦が始まると、ゴム糸入り靴下は贅沢品とみなされ製造が禁止されてしまったり、この靴下を製造していた工場が焼失してしまうなどの不幸に見舞われましたが、履き心地の良い靴下はその後も求められ、今では履き口にゴム糸が使われることが当たり前の時代になっています。
野中:ガーターベルト、今ではセクシーなイメージのファッションアイテムになっているので、靴下に使われていたと聞くと不思議な感覚です。
可児:その後、弊社ではより靴下に適したゴム糸「NDX」を開発しました。
しなやかに伸び縮みするゴム糸NDXは、ナイガイの靴下にはもちろん、今では他の靴下メーカーさんでも多く使われています。現代の日本の靴下のスタンダードを作り上げたのは弊社だったのでは、と、私も個人的にとても誇りに感じています。
野中:ホームページでナイガイの現行の商品を拝見しましたが、いろんなアイデアが詰まった面白いものが多いですね。
可児:私どもが大事にしているのは、「素足以上に足どり軽く」という考えです。この思いをベースにものづくりをしていますので、快適さ、というのが一つのポイントになります。
たとえば1955年に生まれた、ルームソックスの先駆となった「ハマグリパイルソックス」という商品があります。
フカフカなパイルを作り上げるために、編み機をアレンジしているので、他の機械では絶対に作ることができません。また履き口に施されたハマグリ刺繍は、今でも職人さんが手作業で施しています。
野中:ルームソックスはそんなに昔からあったんですね。
可児:ユニバーサルデザインを取り入れた「みんなのくつした」という商品も話題です。
とても伸びる履き口で、むくみやすい足でも快適に、脱ぎ履きもしやすく多くの方から支持をいただいています。触れるとわかるマークでサイズがわかるので、目の不自由な方にも優しい作りとなっています。
またこの夏にはクラウドファンディングにチャレンジして成功を収め新商品「はかないくつした SUASIC」を発売しました。脱げやすいフットカバーの不快感からの開放を課題に生まれた新しい靴下の形です。
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私たちの生活に欠かせない靴下。長い歴史に根差した視点から、新しい靴下の形を提唱するナイガイから目が離せない。
株式会社ナイガイ
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