コロナ禍により生活の必須アイテムとなったマスク。
今、SNS上ではそんなマスクのデザインの変遷がうかがえるユニークな投稿が注目を集めている。
「昭和10年代のマスクを昭和10年代のファッションと共に着用してみた図。
当時主流だったマスクは今よりも顔の大きさに対して小さめの作りで、小顔見せは困難です。
※着用者は私です」
と昭和10年代のお洒落な婦人用マスクを装用して見せたのは華子さん(@1930sclothing)。
鼻と口を覆うだけ、少し口を開けば外れてしまいそうな極めて小さな紺色のマスク……。コロナ禍を経てさまざまなサイズ、デザインのマスクが手に入るようになったが、以前はマスクと言えば、これほど小さくはないにせよ口の周りを包むだけの小さなものが主流だったことを思い出した。
華子さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは「湘南爆走族にいたような?」「「烏天狗みたい」」「今流行りの立体マスクみたい」、また「マスクしている人とマスクのパッケージ絵の人の顔が似ていることに驚いたw」などさまざまなコメントが寄せられている。
投稿者の華子さんにお話を聞いた。
野中比喩(以下「野中」):このマスクを入手された経緯を教えてください。
華子:東京都内の骨董屋で購入しました。
野中:装用されてみていかがでしたか?
華子:昭和初期のマスクの大きさは鼻と口だけを覆う程度なので、着けている内にずれてきてしまわないか少し心配になりました。
野中:喋るだけでずれそうなびっくりサイズですよね。
「再現度がすごい!」「絵から出てきたみたい」などの声が寄せられてますね。お写真もとても素敵ですが写真撮影へのこだわりをお聞かせください。
華子: 写真のテーマとなる時代について必ず調べるようにしています。このマスクが販売されていたのは昭和10年代ですが、その当時に流行っていたお洒落を同時代の古書や写真を参考にして再現できるようにしました。
日本の昭和初期の女性の洋服はそこまで現存数が多い訳ではなく、状態が良くなかったり、自分にサイズやデザインが合わないことがあるので、昔の服の作り方について掲載されている古書を読みながら新しく作ることが殆どです。
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華子さんのお話を聞いてきて、コロナ禍以前におじいちゃんおばあちゃんがつけていた給食マスクのような小さいマスクは、その世代にとってのスタンダードだったのではないかと想像した。
今回はマスクの話題がメインとなったが、1930年代の日本の文化、ファッションを愛する華子さんはTwitter、Instagramで当時を再現して自身で作った洋服や、収集した貴重なアイテムを紹介している。いずれも見ごたえのあるものばかりなので、ご興味ある方はぜひご覧になっていただきたい。
華子さん関連情報
Twitter:https://twitter.com/1930sclothing
Instagramアカウント:https://instagram.com/electric_hanako