朝ドラ「舞い上がれ!」の舞台・東大阪 町工場で匠の技を一般公開「職人が観光資源」

職人の金属加工技術を生かして作られた飛行機のモニュメント
職人の金属加工技術を生かして作られた飛行機のモニュメント

 NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」の舞台になった東大阪市で、地元企業21社が参加し工場を一般公開するイベント「こーばへ行こう!」が18、19日に開かれた。

 実行委員長の草場寛子さんが社長を務める盛光SCM社では、工場見学ツアーを開催。普段は関係者以外立ち入ることができない作業場で、機械が大きな音を立て動く様子や作業する職人の様子を見せた。

 ツアーの目玉は、金属加工技術「ヘラ絞り」の実演。ヘラを手作業で押しつけ金属板の形を変える技で、力加減は熟練した感覚が頼りになる。そのため一部のベテラン職人しか作業できない特別な技術だという。職人歴40年以上のベテランによる実演では、ツアーガイドの若手職人が「動画スポットです。間違いなく映えます!」とアピールし、見学者はスマホを構え職人技にくぎ付けになった。

 工場と住居が隣接し騒音問題が起きていたなか、近隣住民が町工場を知る機会をつくろうと盛光SCMが2018年に一般公開イベントを始めた。今年は5回目の開催。草場社長は、当初は外部への広報に重点を置いていたが回を重ねるごとにスタッフが生き生きしてきたと話し、「人と話すことが苦手だから物作りをしていた子たちが、自分の職業をアピールするようになってきた」と思わぬ手応えも感じている。

 今年は過去最多の21社が参加し、観光バスでの来客もあるなど規模が拡大している。草場社長は、町工場は部品を作る会社が多く、日用品の完成形ではないため製品だけで市民に技術を理解してもらうのは難しいと話す。職人の高齢化や後継者不足にも焦りを感じるといいう。「工場に来てもらって、機械を動かすことで東大阪のアピールができる。職人・機械が観光資源ということに気づいた。モノ作りを東大阪らしくどうアピールするか」と語った。

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