フィギュアの祭典ワンフェスで耳かきを販売 社長に理由を聞いた

山本 鋼平 山本 鋼平
「医療器具屋さんが作った耳かき」を手にする小林保彦社長
「医療器具屋さんが作った耳かき」を手にする小林保彦社長

 世界最大の造形・フィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)2022冬」が6日、千葉・幕張メッセで開催され、会場では医療器具を製造する三祐医科工業が耳かきを販売。異色の場所での出展理由を、同社の小林保彦社長(54)に聞いた。

 コスプレイヤー、カメラを抱えた男性、ガレージキットやフィギュアを購入した一般客など、さまざまな客層が物珍しそうに視線を向ける。陳列される商品は「医療器具屋さんが作った耳かき」。2010年に製品化され、度々テレビや雑誌で取り上げられた。カテーテルや注射器を製造する技術、材料を活用。先端の樹脂部はポリアセタールを、柄・金属部分は真鍮とクロームメッキを用いる。小林社長は「適度なしなりがあって、力を加えても耳の中を傷つけにくく、耳あかもよく取れます」とアピールし、異色の場所での出展理由を「好奇心の強い方が多い会場では、よく売れますから」と語った。

 大手販売店にも商品は置かれているが、会場で直接販売すると売れ行きが段違いだという。ワンフェス以外にはアートイベントの「デザインフェスタ」、デパートの職人物産展などに出展した。重厚なフォルムに銀色に輝く金属部分が、旺盛な好奇心を刺激するのだろうか。

 職人の街である東京・足立区で1972年に創業されて以来、蓄えられた技術力。現在は形状が異なる5種類の耳かき、3種類の耳かきストラップを展開している。発売当初にMBSの関西ローカル情報テレビ番組「ちちんぷいぷい」で特集され、大阪では爆発的に売れたという。小林社長は「本業は医療器具なんですけどね」と笑いつつ「今でも大阪には足を向けて寝られません」と、こぼれ話も語ってくれた。

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