ツイッター動揺で日本産「オタク向けSNS」に殺到 新規登録が通常の100倍「避難先のひとつとして」 

 実業家のイーロン・マスク氏がツイッター社を買収し、認証マークの有料化発表や社員の大量解雇など経営改革に着手している。一部ではサービス利用の有料化を検討しているとも伝えられ、影響を受けたユーザーはツイッター以外の交流の場を求め、日本企業が開発した「オタク向け国産SNS」に殺到した。

 新規利用登録者が急増したのは、Webブラウザ版を試験提供中で2021年に現行バージョンを公開した会員制交流サイト「くるっぷ」。今月上旬に〝ツイッター有料化〟の話題が盛り上がると、ツイッター上では「(ツイッターから)移住します」「避難先のひとつとして考えてる」「みんなが行くなら私も行く」と、趣味を共有する人たちが「くるっぷ」へ移動する流れが生まれた。

 「くるっぷ」を運営する株式会社Anokumaの代表・中村清夏さんによると8日夜から新規登録者が増えはじめたという。特に9~11日ごろは、1日あたりの登録者数が従来の約100倍である約2万人に急増した。

 急激な利用者数の増加を受け、同サービスは「システム只今重くなっております」と注意を呼びかけた。一時はログインできないなどのシステムエラーも発生したが、開発チームで「サーバーの負荷が軽くなるよう」対策したという。

 総登録者は9日の時点で10万人を超え、現在も通常の5倍程度の新規登録数が続いている。中村さんは「(流入は)ツイッターが有料化するという報道で焦って他を探した方がほとんどだと思う」と話し、「ツイッターだとコンテンツ的な制限があるので、もっと自由にやれるところを探していたりとか、オタクの人たちにとってツイッターに代わるようなサービスは潜在的にニーズがあるのかもしれない」と分析した。

 「くるっぷ」は、同人誌を作ったり読んだりする人の利用を主に想定した交流サイト。「オタク向け国産SNSサービス」と掲げ、日常的な〝つぶやき〟もOKの通常投稿機能や、創作した〝本〟のページ数や販売予定など作品情報をまとめる機能、30万字・画像120枚までの作品を投稿できる機能がある。日本企業が開発していることから、国内の創作コミュニティーの慣習に合わせた機能を特徴としている。

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