「有名になりたい」駆け出し配信者を狙った詐欺に注意 インフルエンサー事務所を装った勧誘DMが増加

松田 和城 松田 和城
画像はイメージです(Elnur/stock.adobe.com)
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 駆け出し配信者の「有名になりたい」という心境を逆手に取り、インフルエンサー事務所を装って不当な契約を結ばせる詐欺が増加しているという。

 登録者数36万人を超える人気チャンネル「へんないきものチャンネル」を運営しているろう(@youko_rou)さんが投稿した注意喚起に大きな反響が寄せられている。「フォロワー3桁ぐらいになった頃からインフルエンサー事務所みたいな所から『所属しませんか?』みたいなDMがたくさん来ますが、99%詐欺です。所属するとサポートなしでマージンだけ持っていかれる被害や○年以内に契約解除すると違約金などなど」。ろうさんは、活動期間が長い動画投稿者の間で、変な勧誘DMが来る経験はよくあるため、スルースキルが付いていると話す。一方で、活動を始めて間もない人がその内容を信じ、相談を持ちかけてくるケースが頻発したとした。

 ろうさんがユーチューブ活動を始めたのは約3年前。自身も登録者数が4桁未満の際、月2件程度、勧誘DMが来ていたという。「自分の場合は事務所所属すら考えていなかったため、特になんとも思いませんでした」。勧誘DMは現在、週に2、3件と増加し、ろうさんは「昔に比べて今の方が業者は増えているのかなと思います」と危惧する。将来の夢として「ユーチューバー」の文字を見ることが増え「最近は事務所所属に憧れる投稿者・配信者が多いと思うので、声をかけられても舞い上がらないようにしたいですね」と警鐘を鳴らした。

 見分け方のコツについて、ろうさんは「自分が本を出したりテーマソングを作ったり、大きなコラボが実現する時は絶対先方から、具体的にどこが好きかとか、ちゃんと自分個人に向けた熱いメッセージがありました」と説明。詐欺DMはいわゆる〝テンプレ文〟が続くことが多いといい、「大前提で疑って、周囲の大人に相談したり、契約書など弁護士も通してしっかり確認してください」と呼びかけた。

 ろうさんは詐欺に合い、不当な事務所に所属してしまった場合は「日本司法支援センター」で相談することを勧めている。契約解除をすると違約金が発生する場合や報酬の未払い、返済が難しすぎるローンなどのケースは対応可能だという。

 ツイートの投稿後、これまで関わりのなかった配信者やVTuberなどから反響があった。ろうさんは「高頻度でDMが来る方、大手でも全く来ない方、中には配信活動すらしていないのにもらっている人もいました。ネット上で活動をしている方は、相手がどういう企業なのか良し悪しを見抜く審美眼を持つ必要がありそうです」と語った。

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