歌手のシェリル・クロウ(60)は、音楽業界の仕組みを知ってやる気をなくしたそうだ。これまで世界で5000万枚のレコード・セールスを記録し、9回にわたってグラミー賞を受賞しているシェリル。2009年に50歳で亡くなった世界的スーパースター、マイケル・ジャクソンと1987年にツアーをする機会を得て一躍有名になったが、その経験は「刺激的」だったと同時に必ずしも見たくないものにも晒されたという。
英ITVの情報番組「グッド・モーニング・ブリテン」に出演したシェリルは「マイケル・ジャクソンのツアーに参加したとき、文字通りその6カ月前は学校の先生だった。18カ月のツアーが終わるころには、間違いなく疲れ果てていた。セクハラも経験したし、あまり見たくないものも見た。傷ついた若者の物語を甘美に取り繕ってうやむやにしてはいけない。誰も見たことのないような凄い動きをするマイケルを見たことで間違いなく刺激を受けたわ。でも音楽ビジネスの仕組みを知ることで、やる気がなくなったと思う」と語った。
一方、新ドキュメンタリー「シェリル」の話を持ちかけられた際、ショービジネスにおける自身の人生を描くことに最初は躊躇があったそうだ。
「実はパンデミックの初期にドキュメンタリーの話を持ちかけられて、絶対にやりたくなかったんだけど、終わってみれば、自分の言葉で語ることができて、かなり解放された。確かに、グラミー賞を受賞したり、エリック・クラプトンやパバロッティなどの素晴らしいアーティストと一緒に歌ったり、大統領に会えたりしたことは、最高の出来事だったわ」と振り返る。
シェリルの人生とキャリアを追ったドキュメンタリー映画「シェリル」は、現在ストリーミングで視聴可能だ。